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木下稜介が「63」のコースレコードタイ！　初優勝ならウィンウィン？

＜三井住友VISA太平洋マスターズ　2日目◇13日◇太平洋クラブ御殿場コース（静岡県）◇7262ヤード・パー70＞
スコアボードのトップに木下稜介の名前を見て、「調子良いなあ、僕がウェッジをあげましたからね」とにんまり。2日目は「75」と苦戦を強いられた谷口徹だが、機嫌は上々だった。
ツアープロのパターのシャフトに“ピストルの弾”!?【証拠写真】
この日に「63」をマークして首位に立った木下は、同郷奈良県の愛弟子。今週も練習ラウンドを一緒に回り、アプローチに悩んでいた木下に、自身が持っていたウェッジの中から58度を手渡した。「レッスンつきの、ごはんおごりつき。賞金ナンパーセントかで、ウィンウィンや！」と話していた矢先の活躍。
谷口自身は、この日に7番パー3でエース達成と見せ場を作るも、残念ながら予選落ち。それでも嬉しそうなのは、マージンがあるから…ではなく、愛弟子の活躍が嬉しいからだろう。「今日の様子だと、アプローチはいらないんじゃないかな」と笑ったが、実際は大活躍だったようだ。
1イーグル・5バーディのボギーフリーと快走。パーオン率77.78％の5位タイと抜群のショット力が光ったが、「ピンチも何ホールかあったけど、パーオンを外してもOKくらいに寄せられました」（木下）と、6番パー4では2打目が左奥のバンカーへ入ったが、そこから4メートルに寄せてパーセーブ。「色々悩んでいたので、おかげさまで助かりました！」と、「63」のコースレコードタイを記録した。
ツアー初優勝に向けて好位置へ。「勝ちたい」と口にしたが、本来であればもう少し早い段階でチャンスをつかめたかもしれない。今季は1月の「SMBCシンガポールオープン」で6位タイに入り、海外メジャー「全英オープン」への出場権を獲得。絶好調でシーズンインするはずだったが、コロナ禍で試合の中止が相次ぎ、全英は翌年へ持ち越しとなった。
「調子がすごくよかったので、（ツアーで）勝てたのになという思いもありました。でもこればっかりは仕方がない。いい時間をもらったと思っています」と、来年の全英での活躍を目標に準備を進めてきた。大きなモチベーションはもうひとつある。「知り合いの方が末期のガンになってしまって。その人のためにも頑張りたい」と闘志を燃やす。ツアーデビューから6年、心優しい好青年の初優勝を待ち望む人はたくさんいる。（文・谷口愛純）
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