<マスターズ 3日目◇14日◇オーガスタナショナルGC(米国ジージア州)◇7475ヤード・パー72>
あらためて振り返ると、ツアー史上でももっとも実績を積んでいる一人がダスティン・ジョンソン(米国)。米国男子ツアーでは23勝。2008年のプロ転向から13シーズン連続で勝利を挙げている。これまで海外メジャータイトルは16年の「全米オープン」のみ。そんなジョンソンが、二つ目のビッグタイトルに大きく近づいた。
「マスターズ」3日目を1イーグル・5バーディの「65」で回り、トータル16アンダーまで伸ばし、2位に4打差の単独首位で最終日へ。世界ランキング1位、2020年3勝の力を存分に見せつけた。
1番をパーとすると2番パー5では圧巻のプレー。フェアウェイから221ヤードのセカンドショットを5番アイアンで放ち、ピンそば30センチ。楽々イーグルを奪い波に乗ると、3番、4番と連続バーディ。その後もボギーフリーのラウンドを続けた。
「まだまだ上位にはいい選手がいる。あと18ホールも残っているから、あしたも自分のゴルフを心がけていいプレーをしないといけない」。気を引き締めているが、いまのところ死角は見当たらない。これまでオーガスタのベストラウンドは「67」だが、今週は2度の「65」。「コースが軟らかいからアグレッシブにいかないと」の言葉通り、手綱を緩めることなく54ホールを駆け抜けた。
圧倒的な飛距離を誇っていたジョンソンだが、最近では小技も絶好調。今週もパッティングを決めまくり、崩れる気配はない。2位との差は4打差だが、追いかける選手からすれば、打差以上に巨大な壁となっている。
「いままで何度もこの位置にいたから、何をすべきか分かっているし、今日のようなプレーができれば勝てる。今夜は子どもたちと遊んで、家族との時間を過ごしたい」。静かな大男が初のグリーンジャケット獲得に向けて、いまのところは落ち着き払っている。
会場のオーガスタから車で1時間が地元。幼少期から恋い焦がれたマスターズチャンピオンという称号。今度こそはつかんでみせる。
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