<ニトリ エキシビションゴルフ 最終日◇26日◇成田ヒルズカントリークラブ(千葉県)◇7016ヤード・パー72>
スコアの伸ばし合いとなった最終日。大混戦を制したのはツアー1勝の小鯛竜也だった。先にトータル10アンダーでホールアウトしていた金谷拓実と並び、4時半に始まった薄暗いなかのプレーオフを制した。
金谷にとってはプロ初優勝を挙げた前週の「ダンロップフェニックス」に続くプレーオフ。小鯛は勢いに乗る大学生ルーキーに競り勝ち、「プレーオフで優勝できたのは初めてなのでうれしい」と喜びを語った。この日戦っていたのは金谷だけではない。日が沈みどんどんボールが見えなくなる。暗闇との戦いでもあった。
最終組の小鯛がホールアウトしたときに、ちょうど会場の千葉県は日没を迎えた。2人はすぐさまカートに乗って、プレーオフ1ホール目の18番(442ヤード・パー4)のティイングエリアに向かう。金谷が3番ウッドで右ラフ、小鯛がドライバーでフェアウェイに運ぶと、時間短縮のためにカートに乗ってセカンド地点へ移動した。
金谷はツマ先上がりのライからユーティリティを短く握って、グリーン左手前のバンカーに入れたのに対し、小鯛はピンの右6メートルのバーディチャンスにつけた。前週に続いて粘りを発揮した金谷は、池に向かって下っていく難しいバンカーショットを1メートルに寄せてパーセーブ。入れば優勝の小鯛のバーディパットはわずかにカップの左を通過して苦笑い。プレーオフは2ホール目に突入した。
周囲はかなり暗くなり、プレーオフも残り1ホールが限界といったところ。2ホール目は1オン可能な312ヤードの10番パー4だった。小鯛にとっては、初日と最終日の正規のラウンドでどちらもバーディを獲っている相性が良いホール。金谷は3番ウッドで刻み。ドライバーを握った小鯛のボールは、左の斜面を下ってグリーン左サイドに1オン成功した。
金谷のセカンドショットは残り88ヤード。これは手前のピンに対して、少しショートしてグリーンに届かなかった。その外からのバーディパットは入らず。
あまりの暗さにパッティングのラインも読みにくいなか、「たまたま10番ホールで、きょうバーディを獲った同じラインについていたので、信じて打ちました」という小鯛。15メートルのイーグルパットは2メートルショートしたが、このバーディを沈めて優勝を決めた。これで小鯛はこの10番ホールで1日2バーディ、大会2日間では3つのバーディを奪った。
小鯛は来週の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場権を持たないため、この試合が今年最後となった。「落ち着いてプレーができたのは、自分のなかで良い経験になりました。JTに出られないのは残念ですけど、来年に向けてはすごく良い流れで今年を締められたかなと思います。この優勝をきっかけに来年のツアーを盛り上げていきたい」と2021年へ飛躍を誓った。
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