<全米女子オープン 最終日◇14日◇チャンピオンズGC(米国テキサス州)◇6731ヤード・パー71>
海外メジャー大会4位という結果で2020年を終えた渋野日向子は、「6月から9月にかけての自分からすると、よくここまで来られたなということはすごく思います」とこの1年を振り返った。国内ツアー開幕戦での予選落ちや、前年優勝の「AIG女子オープン(全英女子オープン)」予選落ちなど夏場2カ月間の海外転戦で思うような結果が出なかった時期を回顧。それを乗り越え、今後は新たなステージに向けた準備を進めていく。
今年の国内最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を3位で終えた後、「ポジティブに考えることで2〜3打は変わる」と“メンタル面”の重要性を話していたが、この大会でも「自分のなかで気持ちの変化はすごくあった」ことを実感した。ただその一方で、「ゴルフの内容に関しては成長しきれていない。気持ちで何とかなった打数もかなりあると思うけれど、それだけではどうにもならないのが第3、4ラウンドのスコアかな」ということも痛感する試合となった。
それを踏まえ、この冬に鍛えるものとして「グリーン周り」と「アイアンショット」を挙げる。特に「緊張感があるなかでの」アイアンの精度の重要性は改めて身につまされたようで、「なかなか練習ではできないけれど、重圧がかかったところでも自分らしい動きができるよう、しっかり固めていきたい。自分のアイアンの距離を把握することもこのオフにしっかり取り組みたい」と大きな課題になった。
パーオン率を見ると、第1Rは83%、第2Rが78%と予選では好調だったものが、第3Rは61%、最終Rは44%とプレッシャーが増すにつれ低下。そして、それがスコアにも表れてしまった。寒さで体が動かず番手が「2番手」ほど変わったことも影響するが、「回っていくうちに、スイングの仕方も分からない状態になってしまった。初歩的な問題だったかなと思います」と、終始つきまっとた緊張がプレーに影響を及ぼしたことを悔いた。
来年は予選会を経て、2022年からの米ツアー参戦への足掛かりを作る1年にする、というのが現在描いている青写真。「出る選手は一緒なので、アメリカツアーの試合はどこで勝ってもメジャー級の優勝」という場所で戦うことを見据えると、やはりグリーンを狙うショットをいついかなる状態でも安定させることは必須項目と考える。
「来年はスポット参戦できるアメリカツアーでしっかり結果を残すこと。日本ツアーでもしっかり賞金ランキング上位に行くこと。自分が作り上げ始めているゴルフを完成に近づけていくために、いろんな練習をしたい」
優勝争いという緊張感が高まる状況でしか分からない部分だけに、これは貴重な“気づき”となる。きょう味わった悔しさを、しっかりとフィードバックしていく。だがその前に、まず帰国してからは自主隔離期間を過ごすことになる。「韓流ドラマをいっぱい見ようかなと思います」。その期間を利用して、激闘の疲れを癒すことも今は重要だ。しっかりと骨を休め、その後さらなるレベルアップに取り掛かっていく。
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