新型コロナウイルスの感染拡大を受けて未曾有(みぞう)の事態に追い込まれた2020年のゴルフ界が、21年に新たな取り組みを始める。25日(金)、日本ゴルフツアー機構(JGTO)が21年の日程を発表。そのなかに含まれた新規大会の「ジャパンプレイヤーズチャンピオンシップ by リシャール・ミル」は異例のトーナメントになりそうだ。
本大会は来年5月に開催。大会名に入る高級腕時計ブランドのリシャール・ミルは特別協賛。そして主催は、“ジャパンゴルフツアー選手会”(JGTPC)となっている。「選手会がつくる選手のための大会」。つまり、ツアーメンバーが自分たちの職場を拡大するという、これまでにない形を取る。
20年の国内男子ツアーはレギュラーツアーが6試合(うち1試合は1月のシンガポールオープンで海外)。下部ツアーのAbemaTVツアーは4試合と、選手は職場を確保することができずに悔しい思いをした。そんな状況を「なんとかしたい」と立ち上がったのが、206名を要するツアーメンバーからなる選手会だった。
「5月か6月ごろから考えていました」と、選手会副会長兼事務局長の池田勇太が話すとおり、コロナ禍の中で新規大会の構想は膨らんでいった。そこに共鳴をしたのが、宮里優作、成田美寿々などプロゴルファーのスポンサードを手がけるリシャールミルジャパン株式会社。「協力したいと思っていたところで、新しいアイデア、地域貢献をしながらという言葉に共鳴した」と同社。選手会自ら立ち上げる新コンセプトの大会に協賛することが決まった。
新しくできる大会にはいくつかのコンセプトが織り込まれている。主なものは下記の通りだ。
・トーナメントの企画や権利はJGTPCが有する
・各スポンサーの意向を反映し、興行の拡大を目指す
・開催地は全国、現在トーナメントを開催していない地域が目標
・その結果、ゴルフ普及、社会、地域貢献活動を提案
・生放送や長時間放送にこだわる
賞金総額は5000万円、優勝賞金は1000万円とツアーの中ではもっとも低い額だが、金額の問題ではなく、新たに大会を立ち上げること、そしてこれを継続的に開催していくことが、大会増加という命題を持った男子ツアーにとっては貴重な一歩。コロナ禍のなかでも奔走した選手会。いまだ混迷する情勢の中でも、前に進むための施策となる。
今後は下部のAbemaTVツアーでも選手会主催大会を開催していく予定。レギュラーツアー大会については、144名(予定)出場の72ホールストロークプレー。72ホールの完遂を目指し予備日も設けている。なお、現在のところ開催コースについては、未定となっている。
<ゴルフ情報ALBA.Net>