2020年もまもなく終わり。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界各国のツアーの中止が相次ぎ、渋野日向子は国内6試合、海外7試合の出場にとどまった。例年よりも少ない試合数ではあったが、そんななかでも多くの名場面が生まれた。そこで渋野の印象に残ったシーンをカメラマンがチョイス。今回は渋野が取り戻した“自然体”を撮影した岩本芳弘カメラマンの1枚。
「あれ? 1年ぶり?…ですかね?」
コロナ禍の影響で、今年は最後までファンが会場で観戦することはできない年となった。取材のやり方も大きく変わり、原則、以前のように選手に接近して話をすることもできない。そんな状況のなか、岩本カメラマンが渋野と1年ぶりの“再会”を果たしたのはシーズン最終戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」会場だった。“ソーシャルディスタンス”という距離感が2人の間にはあったものの、いつもの人懐っこい笑顔で渋野からこう声をかけられた。
本来であれば2月の「ホンダLPGAタイランド」(タイ)、「HSBC女子世界選手権」(シンガポール)と、米国女子ツアーのアジアシリーズから撮影に行く予定だったが、すべて中止に。渋野が夏場に敢行した海外転戦中も、出国制限の兼ね合いもあり、おいそれと現場に入れる状況ではなかった。そんな事情もあり、これが久しぶりに聞く生声だった。
「アメリカ転戦で苦労したんだな。そう思わせるくらいアプローチやバンカーが更に上手くなっていて、“綺麗なゴルフ”をするようになったな」。岩本カメラマンは、22歳になった渋野からこんな変化も感じ取った。とはいえ、時に“劇場型”ともいわれる渋野のゴルフは、「突然何かが起こるのが愛されるところなのでしょう」と、見る者を楽しませる部分はしっかりと残っていたこともまた印象深かった。
今回選んだ1枚は、リコーカップ最終日の最終ホールでのリアクションをおさめたもの。この頃には、長らく続いた不振から脱し、「ゴルフを楽しむなかで出た彼女ならではの自然なポーズ。自然だからこそドキっとする」と、感じさせた“仕草”だ。
「その瞬間を撮り逃さずに独自のアングルで伝えていく事がプロカメラマンの仕事。 ゴルフは楽しくカッコ良く! これからも今まで通り変わりなく自然体で、世界中の人達に愛される選手でいて下さい。来年はアメリカで撮影出来ることを楽しみにしています」(岩本カメラマン)
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