コロナ禍の中で終えた2020年は、男子は6試合、女子は14試合が行われた。試合数こそ少ないものの、今年も各試合でさまざまなドラマが誕生。その中から印象に残った名場面を、現場カメラマンが選定。今回は「ゴルフ日本シリーズJTカップ」から、佐々木啓カメラマンが選んだワンシーンをお届けする。
国内男子ツアーの2020年最終戦で、二人のスターが同組でラウンドした。2007年にアマチュア優勝を果たした石川遼と、2019年に同じくアマチュアVを遂げた金谷拓実だ。
ともにプロトーナメントをアマチュアで制覇した二人。石川はプロデビューしてからすでに13シーズンを終えた。13年からは米国男子ツアーに主戦場を移したが、思うような結果を得られずに国内ツアー復帰。そして、19年は3勝を挙げ復活をアピールした。
その3つのうちの1つが最終戦の日本シリーズJTカップだった。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ今年の大会では5位で優勝こそ逃したが、十分に大会を盛り上げた。そして、金谷は石川を上回る4位に入る活躍を見せた。
そんな二人は同大会で2日目から3日間同じ組でラウンド。その光景を撮影していた佐々木啓カメラマンは、期待を込めて話す。「ギャラリーがいればこの組には大勢の人がついて回ったことでしょう。来年も石川選手、金谷選手が優勝争いをたくさん演じて、国内のツアーを盛り上げてほしいと思います」。
苦しい期間も経験してきたが、まだまだ29歳の石川。そして来春、大学を卒業する金谷。石川は『30歳から新しいゴルフ人生』と、再び米ツアー復帰を目指し、金谷も世界へと飛び出す機会をうかがう。「将来的には二人のプレーを海外で見たいですが、まずは国内で賞金王争いをしてほしいですね。そして早く観客が戻ることを祈っています」。4月の国内開幕が待ち遠しくなる一枚だ。
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