1週間のオフが明けた現地時間16日、松山英樹は午後遅めに会場のリビエラCCに到着すると、パッティングとショットの調整をしたのちに、めずらしくウエッジとパターだけを手にしてコースへ出た。
松山英樹、2021年のドライバースイング【連続写真】
目澤秀憲コーチと早藤将太キャディを伴い、フロントナインを中心にグリーン周りからのアプローチ。グリーン上では丹念にラインを確認し、12ホールを歩いてプレーした。3人で談笑しながらリラックスした表情を見せていたが、途中バンカーの縁に座り込む姿も。
実は「ゴルフは良い感じだけど、そのほか…首(痛)と食あたりみたいになっていて…だから打てなくて」と体調を崩していたのが、大きなクラブを振らなかった理由だった。
「それを踏まえて、(今)できることをやろう」とコンディションを確認に夕方になってコースに出たという。
前週はロサンゼルス郊外で1週間のオフを過ごした。今回はスイングコーチの目澤氏が帯同。アメリカにおいては、初めて二人が過ごすゆっくりとした時間だったのかもしれない。その二人が重点を置いて調整したことは「パッティング」だった。
「1週間でだいぶ良い感じになった。ただ試合になったときにどうなるかはまだ未知数だけど、今の段階では自信を持って打てているかな」と手応えを掴んでいる。
年明け2戦目の「ソニー・オープン・イン・ハワイ」では19位タイに入ったが、他の3試合は16、17年と連覇した「ウェイスト・マネジメント・フェニックス・オープン」も含めて40位台以降と松山にしては成績を出せていない。
「徐々に良くなりそうな雰囲気はあるんだけれど、なかなか最後のかみ合わせがというところで…。特にパッティングがかみ合っていないのは分かっている」と最大の課題にパッティングを挙げる。実際にスコアに対する貢献度を示すストロークゲインドでパッティングは「-.481」(193位)と大きくマイナスを示している。しかしソニー・オープンの2日目には後半ハーフで「28」をマークするパッティングの冴えをみせたところもある。
今大会は昨年5位タイ、一昨年は9位タイと2年連続でトップテン入りと相性は決して悪くない。「(オフウィークの)先週やったことが今週どうなるか。良い状態をキープできればおもしろいんじゃないかなと思う」と前向きだ。
4月の「マスターズ」まであと7週間。今週から次週の「WGC-ワークデイ選手権アット・ザ・コンセッション」、「アーノルド・パーマー招待」、「ザ・プレーヤーズ選手権」まで4連戦が予定され、さらにその後は「WGC-デルテクノロジーズマッチプレー」、「バレロ・テキサス・オープン」と連戦が続く。
「体調をしっかり気をつけることしかない」と気を引きしめる松山。4月にベストな状態を持って行くためにどうするか。ここからが勝負どころとなる。(武川玲子=米国在住)
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