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原発被害を受けたいわき市ゴルフ場の復興【震災から10年 ゴルフ界の歩み】

10年前に起きた東日本大震災ではゴルフ場も甚大な被害を受けた。特に福島県いわき市のゴルフ場は自然災害だけでなく、福島第一原発事故の人的災害も受けるなど閉場するゴルフ場が相次いだ。
コースやクラブハウスへの物理的な被害にくわえ、放射線の風評被害をどう乗り切ったのか。当時の状況などをトーナメント開催実績も多い同市の五浦庭園カントリークラブに聞いた。
いわき市勿来(なこそ)にある五浦庭園カントリークラブは、中嶋常幸の父・巌氏が設計したチャンピオンコースで数々のツアーが行われている。震災の翌年2012年には、国内女子ツアー「大王製紙エリエールレディスオープン」、昨年もコロナ禍での有観客試合で話題を呼んだ、男子エキシビショントーナメント「ISPS HANDA コロナに喝!! チャリティーレギュラートーナメント」の会場を務めた。
大王製紙エリエールレディスオープン最終日は1万1115人のギャラリーがつめかける盛況ぶり。支配人の小野勝哉さんは、「沈んでいる地元に一時的でも明るい話題を提供できたのでは」と振り返る。
同カントリークラブは浜通りに位置し、原発から車で1時間ほどの場所にある。小野さんによれば震災の影響で近隣のゴルフ場は7件が閉場、ゴルフ場スタッフがリストラにあうなど生活に窮する関係者が多く出た。昨年はコロナ禍で地域のゴルフ場を見ても営業が厳しい時期もあり、震災当時と重なる部分があると話す。また、風評被害についても「当時は放射能を持ってくるな!みたく、いわきや福島ナンバーの車が都内など走ると差別を感じました。今は都内の人が当時の福島の立場になっているのではないでしょうか」と思いをめぐらす。つらい経験があるだけに、感染者の多い地域からの来場者に理解を示し、「対策をして来てくださると思っていますから歓迎です」と加えた。
敬遠されがちと思われる震災直後の営業状況はさぞかし大変だったのではないか。しかし、一時はコースの予約が取れないほど好調だったそう。「原発での作業員や護岸工事の人たち、食品の配送に関わる人たちがプレーに来てくれ“震災バブル”に入りました」。確かに、震災から5年経ったころも、各作業員たちでいわき市内のホテルは埋まり、予約が取りにくい時期もあって、いわき駅周辺の繁華街が活気づいていた記憶がある。ゴルフ場にも“震災バブル”の恩恵があったということだ。
「近隣のゴルフ場が閉場したせいで利用者が回ってきたのもあるのです」。大変な時期に利益が保てたとはいえ思いは複雑で、そこまで明るかった小野さんの声のトーンも落ちた。
震災当日は100人ほどがプレーの真っ最中、クラブハウスが揺れるのを利用客が、「豆腐が揺れているみたいだった」と表現するほどの揺れが襲った。幸いケガ人はなかったが、地割れや、地割れに伴う大きな池の水が流失などこれまで見たことのない光景に言葉を失ったという。「全体的にコースは傾いたと思いますよ。海の方へ地面が引っ張られ、グリーンの傾斜も変わったのではないでしょうか」。その後、福島第一原発の爆発のニュースをテレビで見ていて、「福島、終わった。ゴルフ場も終わった」と思ったという。
被害はこれだけにとどまらず、1カ月後の4月11日に起きた浜通りを震源とする地震が追い打ちをかける。クラブハウスの天井が落ち、シャンデリアも破損した。「心底がっかりでした」と話す小野さんだが、利用客に鼓舞されることもあった。風呂に入れない地域住民やボランティアにゴルフ場の温泉施設を無料提供していたところ、利用者らからプレーできないか問い合わせが相次ぎ、コースやクラブハウスの修復をしながらの仮営業を行うことに。クラブハウスが直る6月くらいまで、ハーフのみなど簡易営業を続けた。
「震災でのストレスを抱えている人も多く、ストレス発散の場にも貢献したかったのです。そばやカレーなど立ち食いのような感じにはなりましたが、ほっとできる時間も取ってほしいと食事も用意していました」。ほかにも、地元の幼稚園や小学校にコースを遠足の場として利用してもらい、芝生で遊んだりパターごっこなどをしてもらったり、子どもたちがのびのびと過ごすのにも一役買った。
ホームページに放射線量を出し、都内と比べても安全なことなどをアピールしながらこれまで営業を続けてきた。10年が経った心境は、「今はコロナですよ、震災は過去のことです」。昨年はコロナ禍で大口のコンペが中止になったり、苦戦を強いられることも多かったが、ことし10月にはシニアツアー「ISPS ハンダグレートに楽しく面白いシニアトーナメント」が予定され、大会会場として福島を盛り上げる。
小野さんは「私どもは会員様を中心に運営していかなくてはなりません。メンバー様が過ごしやすいよう、安心で公平、元気に運営を続けるのみです。過去は過去、前を向くのみです」とも続けた。過ぎたことだが忘れないと震災の日々を思い出し、コロナ禍の“10年目”に向き合っているのかもしれない。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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