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“ハガネの女” 畑岡奈紗は叩けば叩くほど強くなる【申ジエに聞く】

世界で50勝以上挙げ、海外メジャーは2勝。米韓で賞金女王に輝き、世界ランキング1位となったこともある申ジエ(韓国)。2020年もわずか8試合の出場で2勝を挙げるなど今なおバリバリの実力者だが、その一方で、日本ツアーを愛し、常々「若手の壁になりたい。後輩達に多様な技術を見せるのも私の役目」と話すツアー全体の発展を願う選手でもある。そんなジエに、日本が誇る若手選手たちをどう思うか聞いてみた。
今回は日本勢のエースとして米ツアーで奮闘中の畑岡奈紗について。現在の世界ランキングは7位。海外女子メジャー制覇、そして世界ランキング1位になることを目標に、世界トップが集まる最高峰のツアーで戦う身だが、かつて同じ舞台で活躍し世界1位にも君臨したジエは、畑岡をどのようにみるのか。
「渡米して、一からチャレンジして、苦労があってもそれを乗り越えてさらなるチャレンジをしていて、どんどん強くなっています」。16年の「日本女子オープン」で史上初のアマチュア優勝を果たした畑岡はプロ宣言とともに、米QTに出場。すぐに米ツアーに挑戦した。その初年はカルチャーの違い、ゴルフの未熟さなど、何度も涙を流す苦しいシーズンとなったが、そこから見事にはい上がった。
17年は帰国後の日本で女子オープンを含む2連勝。勢いをつけて2年連続で米QTを突破し、臨んだ18年シーズン。米ツアー初優勝を達成すると、瞬く間に世界のトップに入っていった。「アメリカに行くと、何か表現するにしても(日本と)違う。そのなかで自分をアピールしないといけない。言葉もそうですし、自分をたくさん出す練習をしたのだと思います」。
まさに居場所を自分で作り出した畑岡。そんな境遇はジエだからこそ痛いほど分かる。「寂しさを紛らわすために練習し過ぎて体を壊した」というのがジエの経験。ところが、畑岡を見て思うのは、「強い」のひと言。「畑岡選手は、ハガネの強さ。鉄も刀も叩けば叩くほど強くなる。畑岡さんも同じです」。
鉄の女、ハガネの女。まだまだ22歳の畑岡。これから叩かれ続ければ、ますますその強さに磨きかかるはずだ。
申ジエ(しん・じえ)
1988年4月28日生まれ、韓国全羅道出身、スリーボンド所属。155センチという身長で母国韓国、そして米国の賞金女王に輝いたジエが、日本ツアーを主戦場に移したのが2014年。「温かい人間味を感じる国でやってみたい」というのが理由で、本格参戦後は元世界ランク1位の名に違わぬ実力でカップを積み重ねている。また、たびたび児童施設に寄付するなど人格者としても後輩たちの良い手本に。米ツアー時代は最終日に無類の強さを発揮することから“Final Round Queen”と呼ばれており、日曜日の強さは日本になっても変わることはない。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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