<ヤマハレディースオープン葛城 2日目◇2日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6564ヤード・パー72>
今年はスコアが出ているとはいえ、一歩間違えば簡単にスコアを落とす難コース・葛城ゴルフ倶楽部で行われている「ヤマハレディース」は予選ラウンドが終了。トップに立ったのは、これが自身初の単独首位となる山下美夢有だった。
狙い通りの18ホールだった。序盤こそパーが並ぶ展開が続いたが、「最初のパー5で獲りたいと思ってた」と狙い通り15番で3打目をピンに絡めてバーディが先行した。勢いそのままに16番でも1つ伸ばすと、18番では風を読み間違えてボギーを叩いたが、次の1番で気持ちを切り替えてバウンスバック。良い流れを継続させると、その後も1つ伸ばしてホールアウトを迎えた。トータル9アンダーまで伸ばしてリーダーボードの頂点に立った。
「パッティングとアプローチがよかったので、なんとかチャンスホールで獲れてパーをしのいでいけたかなと思います」と振り返った山下。初の単独首位の裏には“中嶋常幸”と“300万円”。2つのいい影響があったという。
このオフ、縁あって中嶋と同級生と一緒に3日間付きっ切りで合宿をしたという。その時の教えは2つ。『重圧を楽しむこと』と『スコアへの意識』。
「コースマネージメントだったり、メンタル面もすごく教えていただいた。すごく勉強になりました。優勝争いした時のお話をしてくださったのですが、そういうときは『プレッシャーを感じるとは思うけど、そのプレッシャーを楽しみながらプレーしていった方がいいよ』と言われました。あとは、『もっとスコアに対して考えた方がいいかな』と」
その教えはここまでの2日間しっかり守れている。「去年はプレッシャーに負けてしまいがちでしたが、今は落ち着いてプレーができているかなと思います」とスコアを落とすポイントが多い葛城でも平常心でできている。
また、昨年の8月に購入した300万円のトラックマンも攻略に大いにつながっている。「番手の間の距離を買ってから練習しています。3ヤード残そうと思った時にフルスイングだけじゃなくて、ハーフショットで低めの風の影響を受けない球を打とうかなと思ってやっています。使ってからだいぶ縦の距離も合うようになってきた」。強い風が舞うなかでも、シビアな距離感を求められても対応できるようになってきた。
それでもまだ気は抜けない。「あと2日間あるので、落ち着いてプレーしていけたら。1打1打集中して、チャンスがくれば獲るという気持ちでやっていければ。あまり気にせずにと言ってもスコアを見てしまうのですが、楽しく回れたらと思います」。笹生優花、西郷真央とともに女子高生プロと騒がれてから約1年半。悲願の初優勝に向けて、この位置を守り抜く。
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