<関西オープンゴルフ選手権競技 初日◇22日◇有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース(兵庫県)◇7103ヤード・パー71>
昨年の「ダンロップフェニックス」で金谷拓実にプレーオフで敗れて2位となった石坂友宏が、初日に1イーグル・7バーディ・3ボギーの「65」をマークして、池村寛世と並んで首位タイの好スタートを切った。18ホールで驚異の20パットというプレーにも本人は満足せず、初日のラウンド後は「正直もっといけたかなというのはある」と振り返る。
好スコアなのに石坂の顔が暗いのは、パーオン率が低いことがある。この日はティショットが安定して、フェアウェイキープ率71.34%(全体25位)だったにも関わらず、パーオン率は44.44%(130位)と低かった。「今年の自分の課題はパーオン率をいかに上げるか。それも15メートルについてのパーオンではなく、長くても10メートルくらいのパーオンでピンに絡めていきたい。きょうは半分もしてない」。トップスタートとは思えないテンションで石坂は話す。
パーオン率が低かったのはマネジメントの問題。「2番はいい位置からピンが右だったんですけど、130ヤードくらいをピッチングウェッジでカットに打って右のバンカーに入れてボギー。最後の18番もちょっとカットに打とうと思ったら引っかけてボギーになってしまった」と反省する。アイアンのコントロールショットは苦手ではないが、「(グリーンの)真ん中に落として2パットでもいいと考えられたら違ったのかな」と振り返る。
それでもスコアが出たのは「アプローチ、パターにすくわれた」から。3番では残り15ヤードからチップイン・バーディ、10番では残り20ヤードからチップイン・イーグル、13番でもチップイン・バーディと、1日に3度もチップインを記録した。20パットという驚異のラウンドにも本人の興奮は少なめ。
「高校1年生か2年生のときの全国大会で15パットをやっているんですよ。(ハーフで)8パット、7パット。高ゴ連(高等学校ゴルフ連盟)の試合で、JGA(日本ゴルフ協会)だったら世界記録になっているよと当時話していた。それが今でも自信になっています」と石坂。そのときもアプローチが入りまくった。
そもそもこの関西オープンには、高室池GCで行われた予選会に落ちて、出場権はなかった。しかし、「東建に出させてもらえればチャンスがあると思った」と直近のツアートーナメントで成績上位10位以内の資格で(東建ホームメイトカップで8位タイ)、土壇場で出場権を掴み獲った。
石坂にとって、やはり1学年上の金谷の存在が大きな刺激になっている。ダンロップフェニックスでは金谷にプレーオフで敗れたものの、互角の勝負を繰り広げた。「また金谷さんと戦いたいっていうのはある。(前週の金谷の優勝争いを見て)あの場にいたいなというのが正直なところ」と語る。
その金谷は最新の世界ランキング76位に入り、5月のメジャー「全米プロゴルフ選手権」に出ることはほぼ確実。石坂の世界ランキングは現在439位と、大きく差を開けられている。「無理だとは思うんですけど来年のマスターズに出たい。そのためには日本の賞金王を目指して、とにかく日本ツアーで1勝したいし、シードも獲りたい。PGAツアーに出たいという気持ちも本当にある」と目標は大きい。金谷に追いついて世界に飛び出すためにも、早く1勝を挙げたいところだ。
<ゴルフ情報ALBA.Net>