<パナソニックオープンレディース 初日◇30日◇浜野ゴルフクラブ(千葉県)◇6638ヤード・パー72>
現在、出場2試合連続でトップ10入り中の堀琴音が、浜野でも好調を維持している。6バーディ・1ボギーの「67」をマーク。5アンダーで首位と1打差の2位タイと、“復活”へのスピードをさらに加速している。
「ショット、パットもよくて、かみ合った1日でした」という言葉からも分かるように、フェアウェイキープ率は『92.8%』、パーオン率『83.3%』、パット数『27』というハイパフォーマンスをみせた。4番パー4で5メートルを沈めたと思えば、続く5番パー3ではティショットを1メートルにつけ楽々のバーディ。12番パー5でも残り40ヤードの3打目を80センチまで寄せてスコアを伸ばすなど、ショットのキレ、パットのタッチとそれぞれが冴えわたる初日だった。
2021年の初戦となった3月の「ダイキンオーキッドレディス」で2年ぶりの予選通過(54位タイ)を果たすと、そこからはかつての輝きを取り戻したといえる活躍を続ける。同月の「明治安田生命レディス」8位タイ、4月の「KKT杯バンテリンレディス」6位タイ。この3試合だけで、ここ2シーズンを大きく上回る644万6666円を稼ぎ出した。 ちなみに「67」というスコアは、17年「サントリーレディス」の3日目に「64」を出して以降のベストでもある。
本人はこの好調の要因について、ダイキンを予選通過できたことで湧いてきた「自信」に加え、「思い切ってドローからフェードに変えた」という球筋変更が奏功していると考えている。そのダイキンで「ドライバーが少し曲がっていた」という状態をみて、すぐさまティショット時にこれまでのドローボールを捨て、フェーダーへと“転向”した。
その利点について本人は、こう話す。「森さん(森守洋コーチ)と話した時に、アドレス時の目線がドローヒッターのものではないと言われました。体も変わって、本当は(左に出して)右に曲げたいのに、無理やりつかまえようとしていた。体にも負担かかっていたと思います」。もともと、現在のドライバーショット時の適正がフェードにあったことで、これがスンナリとハマった。
これについては森コーチも、「元々フェースを捻じらないタイプ。それがドローをかけようと下からきて捻じれていた。堀さんはドローを打ちたがっていましたが、ドライバーはフェードでいいんじゃないと言った。そうしたらドローも良くなってきましたね」と説明する。今は「フェードを極めたい」とクラブも調整。もともとドライバー不振がきっかけとなり不遇の時間を過ごしてきたが、「イメージが湧きやすくなって、自信を持って振りにいけています」と、コース上で笑顔も戻った。
今の状態なら目標とする18年以来のシード復帰はおろか、初優勝も視野に入ってくる。さらに「アイアンはドローなんですけど、ちょっと(クラブが)寝て入るクセがあったんですけど、しっかりとダウンブローに入れられるようになりました」と、この改善は他のプレーにもいい影響を及ぼす。苦しんだ日々が、終わりを迎えるのも近そうだ。(文・間宮輝憲)
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