<ほけんの窓口レディース 初日◇14日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県) ◇6335ヤード・パー72>
有村智恵が“アクセルを踏み込んで”初日首位に立った。先週のメジャー大会「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」は予選落ち。しかし、地元・熊本の隣県・福岡で「攻め」のゴルフを取り戻し、6アンダーをマークした。
6番パー4、7番パー3でともに2メートルのバーディチャンスを沈めるなど、序盤からショットがピンに絡む。「先週まで自分のなかで大きくブレーキをかけていた。ショットの調子が上がらずセーフティに。でもそれで予選落ちや、上で戦えない歯がゆさを感じていました」。後半に入っても“突っ込み続ける”姿勢は変わらない。その結果、14番、17番の両パー4で奥1メートルのチャンスにつけてこれを決めるなど、計6つのバーディ。さらにボギーフリーと完璧なラウンドにつなげた。
「外してはいけない場所だけチェックして、奥からのアプローチを練習してきました。『奥ならいい』とピンを攻めて、それで結果が出た。大きな自信になりますね」
有村はこれを「リミットを外す」と表現する。「ショットの調子が悪くて、思い切って攻めることができていなかった。体も以前のようには動いてくれない。そこのリミットも外さないと。大人になるとセーフティになってしまう」。33歳のベテランが、若手選手のようにピンだけを見つめプレーした。
実際に1番、4番、5番では、ショットをグリーン奥に外してしまうシーンも。しかし、ここをそれぞれ1〜2メートルまで寄せてパーセーブした。「思ったより跳ねたり転がったりしたけど、そこをセーブできたのは大きかった。その後攻めることができました」。これが続く6番からの連続バーディの布石となった。
今年出場した8試合でトップ10は1度もなし。予選落ちも3度と、すっきりとしない試合が続いた。「今は昔くらい優勝したいという欲がある」というが、2018年の「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース」を最後に、勝利に手が届いていない。首位発進もその年の11月「大王製紙エリエールレディス」以来のことだ。
「昔は『ミスするわけがない』、『ピンに寄る』と思っていました。そのときの気持ちを思い出しながら、“根拠のない勘違いでもいい”と思ってプレーしていました」
松山英樹のコーチを務め、有村も指導を受ける目澤秀憲氏の「マスターズ」帰国からの自主隔離期間も明け、ここ2週間は、しっかりとプレーを見てもらえている。さらに2週前には同郷の先輩で34歳の上田桃子が優勝。「若い子に練習量も負けていない」という姿勢で、勝利したことが刺激にもなっている。「今の女子ツアーは毎日いいスコアで回らないと優勝できない」。明日からも有村の攻撃的なプレーが見られそうだ。
<ゴルフ情報ALBA.Net>