<ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント 最終日◇23日◇取手国際ゴルフ倶楽部(茨城県)◇東コース(6804ヤード・パー70)
大会最終日、石川遼がスタートホールから「GOLF Net TV」のインターネット生中継を見ていた視聴者をザワつかせた。481ヤードと長い1番パー4のティショットを右の林に打ち込み、セカンド地点からピンは直接狙えない状況で、バッグから抜いたのはなんとドライバー。低いスライスでグリーン右サイドのラフまで運び、パーセーブして見せたのだ。
予選ラウンドは東コースと西コースを1度ずつ、決勝ラウンドでは東コースを2度回る今大会。石川は東コースを回った2日目と3日目はティショットを曲げて、どちらもボギーとしていた。最終日の1打目も右の林に飛び、「まずティショットでザワついた。そこからずっとザワザワしたような感じだったと思う」と明るく笑いながら話す。
セカンドは残り190ヤード。しかし、ピン方向にはスペースがなく、左に打つにも上には枝が張り出しているため、高さと距離が出せない状況。3日連続で1番ホールをボギーとしてもおかしくなかった。「セカンドのライがラフではなく松の葉っぱの上だったので、ドライバーのフェースとボールがクリーンに当たると思った。左の低いスペースを使って、直ドラだったら普通に打てばスライスするので、ドライバーで打つことのリスクは意外となかった」と振り返る。
ドライバーを短く持って左に振り抜いた打球は、低く打ち出されながら大きく右に曲がり、見事にピンと右バンカーの間のラフ、カップまで6ヤードの地点までもってきた。石川が打ち出したのは、グリーン左手前40ヤード地点にある遠いほうのバンカー。そこから「曲がりすぎて右サイドのバンカーに入っても良いと思った。ほぼその通りに行った。40ヤードちょっと曲がっていると思います」と球筋を完璧にコントロール。それだけでなく、残り190ヤードにピッタリ合わせてきた。「そこは文字通り距離“勘”というか…文字が違いますけど」とタテの距離感までイメージ通りだった。
3打目のラフからのアプローチをウェッジで70センチに寄せて、絶体絶命のピンチからスーパーセーブ。そこから2番、3番で連続バーディにつなげ波に乗った。「1番でボギーを打ちたくなかった。セカンドであの状況になったときに、簡単にパーを諦めてボギーに切り替えずに、冷静に見れたのは本当に大きかった。本当は4.5にしたかったけど、(東コースは)3回しか回らないので、4.5にはできなかった。あしたパーを獲れば4.5なんですけどね」と笑いながら悔しがる。2日目、3日目はボギーで『5』、最終日はパーで『4』なので、平均すると4.67になる。
7番から10番までの4連続バーディでトータル19アンダーまで伸ばし、その時点でトップを走っていた大槻智春と2打差まで迫ったが、その後はチャンスで決められず、優勝には届かなかった。最終順位は今年自己最高の4位。「惜しいパッティングも後半続いてしまって、波に乗れていたら面白かったと思う。でも今年の開幕戦からここまで試合を戦ってきて全体的に良くなりつつある。切り替えて次の試合に頑張りたい」と悔しさと同時に充実の色もにじむ。
きょう24日月曜日は「全米オープン最終予選」で36ホールの戦いに挑み、6月の「全米オープン」出場権を目指す石川。また、27日木曜日に開幕する「ミズノオープン」で上位2名に入れば、7月の「全英オープン」の出場権が得られる。1週間で海外メジャー2試合の切符を掴めるかどうか注目したい。
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