<宮里藍 サントリーレディスオープン 2日目◇11日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6517ヤード・パー72>
今年に入り出場13試合で5勝を挙げる稲見萌寧が、4バーディに加え、2日間連続のボギーフリーラウンドで「68」をマーク。“無双状態”が続く21歳が、トータル10アンダーまで伸ばし、2日目に単独首位に躍り出た。
午前組のインスタートだった稲見は、12番、15番で1.5メートルを沈め前半に2つのバーディを奪うと、後半に入っても3番、6番で1つずつ伸ばす。結局、今年に入り10度目となるトップでのラウンド終了となった。「まだあと2日あるので、少しずつでも毎日スコアを伸ばしていけたらいいなと思います」。いつものように慎重な姿勢は崩さず、クールな受け答えも変わりはない。
2021年の勝率は、ゴルフのプロトーナメントでは驚異の3割8分超。ではこの強さを、ほかのプレーヤーはどう見ているのか? この日「67」をマークし9位タイまで浮上した原英莉花は、ラウンド後の会見でこう話した。
「開幕戦(ダイキンオーキッドレディス3日目)で一緒に回った時、一目見ただけで“努力の証”が分かる姿になっていた。自分もオフにトレーニングをしてきたつもりだったけど、思わずキャディに『萌寧スゴイね』と話したくらい。そしたらポンポンときた(勝った)ので、やったことが結果に出ているなと。体も大きくなっていたし、インパクトの音も変わっていた。強いなと思いました」
学年は自分のほうが1つ上だが、同じ2018年のプロテストに合格した同期についてこんな印象を抱いていたという。昨年メジャー2勝を挙げた原は、春先にはすでにその稲見の“変化”を感じ取っていたようだ。
2日目を終え、2打差の2位タイについた稲見の2学年下の山下美夢有は、「今年に入って試合で何回か一緒に回らせてもらっているけど、すべてが安定していて、上手だなと感じる。パッティングも上手だし回っていて、私も楽しいです」と、ラウンド中の“相乗効果”について話した。
休みを取った先週は、練習のため回ったコースで「あまりにもひどくて、怖くて打てなくなるくらいのミスがラウンド中ずっと続いていた。本格的にコーチに『やばい』と言っていました」と最悪のところまで落ち込んだという稲見。だがしっかりと、今週の開幕までには状態を戻してきた。あすは悪天候も予想されるが「耐えるところ耐えて伸ばしていければ」と動揺も一切ない。今の“指定席”ともいえる場所から、今年だけで6個目となるトロフィーを狙っていく。(文・間宮輝憲)
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