<Sky レディースABC杯 初日◇29日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県) ◇ 6590ヤード・パー72>
1アンダー・7位タイと好スタートを切った保坂真由にとって、ステップ・アップ・ツアー史上初の4日間大会の初日は、“なんかいろいろあった”そんな1日になった。まず最初の驚きが訪れたのは、後半の12番パー3だ。
ピンまで175ヤードのティショットを、6番ユーティリティで放つと、それが「いい感じ」とピン筋に飛ぶナイスショットになった。カップ手前3メートルに着弾すると、そのままボールがカップイン。人生で3度目となるホールインワンが達成された。
だが、ボールの行方が「見えなかった」という保坂は、いい感触が手に残った意外は普通にグリーンへと向かった。ボールはもちろん“無い”。ようやくここでカップに直接入ったことに気がついた。序盤に3ボギーを叩き、1オーバーで迎えた局面でのエース。これでアンダーパーとなり、「ここまでまったくよくなかった」という流れを好転させた。
だが、驚きはこれだけでは終わらない。最終18番で、残り1メートルのパーパットを打つためピンを抜こうとしたのだが、なぜかそれがビクともしなかった。競技委員が引っ張っても、うんともすんともいわない状態。「どうしてもピンを抜きたいタイプ」ということもあり、ここでいったんプレーを止めて、後続グループに先に打たせた。4人1組のラウンドにもかかわらず、5つのボールがグリーン上・付近にある、なんとも不思議な状況が生まれた。
その後、コース管理者2人の手でなんとか抜け、すぐさまパーパットを流し込む。これには「初めてでした。待っているあいだ(少しシビアな距離だったので)手がしびれました」と、なんとも言えないというような笑顔をみせた。こうしてサプライズ続きのラウンドが終了。プロ未勝利の25歳は最終日のプレーを終えた後、今度は最高の“驚き”を手にしたいところだ。(文・間宮輝憲)
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