<日本プロゴルフ選手権 2日目◇2日◇日光CC(栃木県)◇7236ヤード・パー71>
スコア速報の首位に見知らぬ名前が躍り出た。芦沢宗臣。今年でプロ6年目を迎える26歳だ。
予選会を行う今大会では無名の選手が上位にくることは珍しくないが、首位で決勝ラウンドを迎えることは少ない。プロフィールをひも解くと、同志社大出身で日本学生5位、関西アマ2位などの実績を持つ。しかし、ツアーでの出場権をなかなか得ることができず、ここまで出場したのはわずか7試合のみだった。
昨年のQTで失敗し、出場可能なマンデートーナメントに挑戦したものの、なかなかそのチャンスを生かすことができなかった。そんな芦沢が大きなチャンスをつかんだ。昨年3月31日、4月1日の2日間に開催された今大会の最終予選会で34位となり、見事出場権を手にする。しかし、新型コロナの影響で本戦が延期に。不幸中の幸いだったのは、最終予選の結果がそのまま持ち越されたことだ。
「ただ、関西在住なので、事前に練習ラウンドにくることはできませんでした。それでもAbemaTVツアー(下部ツアー)に参戦して上位に入ったり、この試合に照準を合わせられたかなと思います」
と、延長になったこともプラスに考えた。身長182センチと長身だが、ロングヒッターというよりもアイアンでピンを狙うショットメーカーだと自己分析する。そう言いつつも「今回はパー5が短いのでフェアウェイにいけばグリーンを狙えると思い、それを意識してプレーしました」と、3つあるパー5ではこの2日間でしっかりとスコアを3つ伸ばした。
予選通過はこれでプロ入り2度目だが、3日目は最終組でのラウンドとなる。「(石川)遼クンとか今平(周吾)さんとかテレビで見ている人ばかりなので、自分がいるのも……とは思いますが、優勝争いできるようにしっかりと頑張りたいです」。
一昨年12月に結婚し、現在は9カ月の愛息と3人で生活しているという芦沢。所属する田辺CCからの給料で生活しているが、今大会の結果次第では、その生活が大きく変わる可能性がある。千載一遇のチャンスを逃さないためにも、残り2日間で全力を出し切るつもりだ。(文・山西英希)
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