東京五輪のゴルフ競技が本日29日に開幕。霞ヶ関CCで覇権を争う代表選手も晴れて決定したが、5年前のリオ五輪とは顔ぶれもずいぶん変わった。記念すべき112年ぶりのゴルフ競技に参加したリオ戦士たちは、いまどうしているのか。ここでは東京五輪“代表漏れ”のプレーヤーにスポットライトを当てる。
ちょっとした波乱かもしれない。ジャスティン・ローズ(イングランド)、ヘンリック・ステンソン(スウェーデン)、マット・クーチャー(米国)らリオ五輪のメダリストたちが、いずれも東京五輪代表“選外”になった。栄枯盛衰(えいこせいすい)とは言うが、わずか5年の間で海外ツアーの勢力図も大きく変わっている。
世界ランク100位内で踏ん張っているローズ、クーチャーに比べると、ステンソンはとりわけ苦しんでいる。全盛期は2位だった世界ランクだが、今では161位(7月4日時点)まで下降。五輪争いには絡んだものの、最後にはヘンリック・ノーランダーにかわされ、霞ヶ関行きの切符をつかむことは叶わなかった。
ステンソンは米ツアー通算6勝、欧州ツアー通算11勝。13年には史上初の欧米両ツアーでの年間王者に輝き、16年には「全英オープン」を制した。そんな名手も今年で45歳になり、17年の米ツアー「ウィンダム選手権」を最後に優勝から遠ざかっている。
18年、19年は欧米両ツアーで優勝争いに絡むこともあったが、20年はコロナ禍の影響もあって出場数が激減。19-20シーズンの米ツアー外競技「ヒーロー・ワールドチャレンジ」での優勝が最後の輝きで、以後はトップ10入りが一度もなく、あまりにも苦しい“冬の時代”を過ごしている。以下は13年と今季の米ツアー主要スタッツ比較。
・ドライビングディスタンス
290.9ヤード(66位)⇒282.7ヤード(198位)
・フェアウェイキープ率
70.09%(7位)⇒65.67%(43位)
・パーオン率
71.96%(1位)⇒59.35%(205位)
・ストロークスゲインド・パッティング(パットの貢献度)
0.04(98位)⇒-0.725(202位)
・平均スコア
69.248(4位)⇒72.189(189位)
これを見ると、軒並みスタッツが低下していることが分かる。特にパーオン率の低下が著しいが、アイアンの名手として知られるステンソンにとってここは“生命線”だけに、このあたりが不調に結びついていそうだ。
全英オープン優勝による米ツアーのシード権も来シーズンまで。シニア入りもちらつく年齢になったスウェーデンの英雄が、もう一花咲かせられるか。めったに感情を表に出さないことでついた異名が“アイスマン”。その心中では、復活への熱い思いがたぎっているだろうか。
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