<東京五輪ゴルフ競技(男子) 初日◇29日◇霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉県)◇7447ヤード・パー71>
いよいよ開幕した男子ゴルフ。日本代表を率いる丸山茂樹ヘッドコーチ(HC)が、2アンダー・20位タイの松山英樹、イーブンパー・41位タイの星野陸也のプレーを振り返った。
ラウンドに同行し、2人の戦いぶりを見た丸山コーチは、それぞれの状態をこう分析した。松山については、まず「ティショットの不安が出た。上体と下半身のバランス(が崩れた)。疲れもあるのかな」と、新型コロナウイルスからの復帰戦での体調を気づかった。
ただプレーに関して、心配は大きいものではない。序盤4バーディを奪いながら、9番以降に2つのボギーを叩いたが、それでも「いいパーパットがしっかり入っている。タッチが合っていないわけではない。(スイング時に)胸の位置とフェースが合う、英樹の持ち味が戻ってくれば」と、少しかみ合えば、すぐに本来の力を発揮してくれることを予感している。
風も止まり蒸し暑さが際立った後半にスコアを落としたが、それでも2度木に当てながらパーセーブした15番のプレーなどを見て「明日につながる根性はまだ残っている」と信頼が変わることはもちろんない。
この日の第1組に入り、開幕を告げる第一打を放った星野については、「朝のレンジ(ショット練習場)から緊張が伝わってきた。リズムが少し速くなっていた」という部分が目に入ってきた。それでも“大役”を務めたそのファーストショットは、しっかりフェアウェイをとらえるナイスショット。この舞台を1日戦いきり、星野の言葉も「まだまだ時間があるので、バーディを獲っていきたい」と力強い。丸山HCも大きなプレッシャーを抱えながら、イーブンパーで初日を終えたことについて、「あすに反省が生かせる。決して悪い状態ではない」と評価する。
8アンダーのトップに立ったのは、オーストリアの“伏兵”セップ・ストレイカ。ただ、「初日ドンと出て、そのままいくのがゴルフかといったらそうではない。あれだけ振れていればスコアは出るが、それが4日間できるか」と、つけいる隙は十分と見る。「なんだかんだで(優勝は)15〜20アンダーにおさまると思う」と、あくまでも人ではなく、このスコアを目指すよう選手を鼓舞するつもりだ。
残り3日間も酷暑のなかでのプレーが予想される。いいコンディションのまま駆け抜けるためには、疲れを残さないことも重要なポイントになる。2日目は星野が午前9時25分、松山が同10時36分にティオフと、初日よりも少しゆっくりとスタートできる。「技術には介入しない。暑いから、休んで体力温存をしようと言いたい」。過剰に気を張ることなく過ごして欲しいと“注文”した。(文・間宮輝憲)
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