<Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 最終日◇29日◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡県)◇7210ヤード・パー72>
大げさに悔しがるでもなく、じっとカップを見たあとに空を仰いだ。最終18番パー5、イーグルパットはあとひと転がり足りなかった。
首位を2打差から追いかける最終日。トップのスコット・ビンセント(ジンバブエ)がボギーを叩くことなくトップを守り抜く中、石川遼も17番を終えて4つ伸ばして2打差をキープ。「バーディを獲らないと確実に試合が終わる」と、イーグルを狙える最後のパー5を迎えた。
ティショットでフェアウェイを捕らえ、2打目で右のエッジまで運ぶ。3打目のアプローチはカップに向かって進んでいったが、ブレーキがかかったようにカップの真横で止った。18番をバーディで締めてトータル16アンダーでホールアウト。プレーオフに備えて1組後ろのビンセントを待ったが、1打リードでトップを守り抜いたビンセントが勝利をさらっていった。
「最後に入ってくれれば完璧なハッピーエンドだったけど、18番は3ショットともよかったので、18番のせいじゃない。4日間を通して悔しい部分が多いので、正直満足はいっていない」
4日間を通しての課題も残るが、単独2位は今シーズンでもっとも優勝に近い位置。終盤の接戦は、優勝争いの充実感も与えてくれた。「上でやるのは、やっぱりすごく楽しい」。ここで得た接戦の興奮は、次の優勝争いへのはずみになる。(文・谷口愛純)
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