<日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 事前情報◇7日◇静ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇6680ヤード・パー72>
今年3月に日本女子プロゴルフ協会の副会長を退任した原田香里が、10年ぶりにレギュラーツアーに戻ってきた。28年前に制した「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」に歴代優勝者の資格で出場する。
久々の空気が胸を躍らせる。「昨日まで緊張していましたけど、現場に来たら若い選手や色んな人に声かけてもらい、非常に楽しい気分です」。出場を決めたのは、その若い選手たちに背中を押されたからだ。
「ギリギリまで悩みましたが、若い選手たちから“出ましょう”とお声がけをもらったのも事実です。今のレギュラーツアーのレベルも分かっていますが、チャレンジする気持ちが出てきて決断しました」
この日は鬼澤信子、不動裕理と練習ラウンド。鬼澤のキャディを務める中野晶を含めれば全員合わせて67勝という豪華メンバーで18ホールを回った。「調子自体は悪くないですね」。今大会に出場するかどうか悩んでいたこともあったが、退任後は結構ゴルフをしていたこともあり、ある程度仕上がった状態で臨むことができそうだ。
それでも「10年前とは飛距離がいちばん違う」というようにコースも大きく変化。一方で自身は当然ながら飛距離は落ちている。そこにどう食らいついていくかがカギとなる。「総距離も伸びていますし、2打で乗らないところもあるので、一生懸命必死こいてパーを獲っていくか、乗せられるところでバーディを獲っていけるか、そういうギリギリの戦いかなと思います」。ここ一カ月は毎週1度、静ヒルズに来てコースをチェック。経験で乗り越えていく戦いとなる。
久しぶりの真剣勝負。「せっかく10年ぶりだから」、と若手への思いを口にする。「技術や飛距離は今の子のほうが上。私が伝えられることといえばゴルフに対する姿勢だったり、一緒に回る選手との関係性だったり。一生懸命プレーすることで、ほかの選手たちが何かを感じてくれたらうれしいです」。役職はなくなっても女子ゴルフ界を思う気持ちは変わらない。
とはいえ、サンバイザーをかぶればすっかり勝負師の顔。「1つでも少ない数字で上がりたいです。頑張って2オーバー、3オーバー内に収めたいとは思います。私が4日間やれたらみんなびっくりするじゃないですか(笑)。頑張ります」。54歳の新たな挑戦が幕を開ける。(文・秋田義和)
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