<日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 2日目◇10日◇静ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇6680ヤード・パー72>
女子プロNo.1といえば今や“稲見萌寧”という呼び声が高いが、その期待に応えられるポジションで稲見が予選ラウンド2日間を終えた。初日は4バーディ・2ボギーの2アンダー、2日目も4バーディ・2ボギーの2アンダーで、首位と4打差のトータル4アンダー・10位タイで決勝ラウンドに進む。
「調子が悪いわけじゃありません。ティショットの調子もよくなっています。特別に何かを変えたというより、ちゃんとやり直したという感じです」と話したように、初日に少しだけ外からヘッドが下りてきて左に出ていた球は、いつもどおりの練習で修正できた。主にアドレスチェックを行ったのだという。
そして初日は「雨でいろんなことを考えすぎました。今日は晴れていたのでティショットはやりやすかったですが、後半は少しタイミングが悪いことがありました」と続けた。タイミングが悪いというのは、トップを上げた瞬間に音が鳴ったりしたことだという。自分が悪くてミスをしたのではないので、引きずることもなかった。「楽しく回っているし、ボギーを打ったものは仕方がない。引きずると、どんどん悪くなりますから」と笑みを浮かべながら話した。「初日は雨で苦戦、2日目はミスというより噛み合わなかっただけ」なのだという。つまり、まだまだスコアは伸ばせるということなのではないだろうか。
静ヒルズCCは小学生のとき以来のラウンドとなった稲見だが、「難しいというイメージしかありません。小学生のときのイメージを引きずっているわけじゃありませんが、ゆずれない難しさがありますね。選手権は通常のときとは別格です。明日からの2日間も、バーディを獲ってボギーを打たないことが大事。耐えるところは耐えていきます」と、フェアウェイに置くティショットがカギになると話した。
決勝2日間の戦い方を聞くと、「まだ優勝を意識するタイミングじゃない」と稲見は言っていたが、自分のゴルフを貫けば自ずと優勝が見えてくる。そんな稲見の強い意志がうかがえた。尻上がりに調子を上げてくる稲見だけに、上位の選手たちは気が抜けないところだろう。4アンダーの10位タイまでにいる選手は16人。週末も熱い戦いが繰り広げられるはず。そして稲見はいつも通り優勝を狙っているに違いない。(文・河合昌浩)
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