2019年に初勝利を含む2勝を挙げ、名実ともにトッププロとなった柏原明日架。実は昨年までクラブセッティングの中に3番ウッドは入っていなかった。「難しいから」という理由でフェアウェイウッドは4番から。そんな柏原が今年からキャロウェイ『EPIC MAX』の3番ウッドを入れている。アマチュアも苦手な3番ウッドを打ちこなすコツを、ゴルフ雑誌ALBA828号のなかでレッスンしているので紹介しよう。
「3番ウッドは長いのでダフリやトップのミスが出やすいクラブですが、私は絶対にミスしたくないときは、左手をグリップの真ん中付近で短く握ります。グリップエンドギリギリまで長く握ると、ヘッドに遊びがあるから、いろんな下ろし方ができてしまう。これくらい短く握るとシャフトを硬く感じられるので、良い意味で遊びがなくなるんです。飛距離は5ヤードほど落ちますけど、当たって曲がらない方がメリットは大きいと思います」
短く握る理由はそれだけではない。クラブを逆さに握って振ってみるとわかるが、手元側に重さがくることで、振りやすさが増すのだ。「短く握ることでグリップエンド側に重さを感じることができる。いわゆるカウンターバランスが利くんです。それにグリップを余らせておくことで、グリップエンドからボールに向かって刺していくイメージがすごく湧きやすくなる。インパクトで上体が伸び上がったりするミスも防げます」と柏原は説明する。グリップエンドを余らせることで、下ろしていく方向が明確になるのだ。
実際のスイングについてのポイントは2つ。1つ目は「始動の30〜40センチは、左肩を体に寄せるイメージで左ワキを締めるようにしましょう。これにより手元が体から離れずにスイングできるので、スイング軌道の再現性が高まります」。
そして2つ目のポイントは、「ダウンスイングでグリップエンドをボールに向けて下ろすのと同時に、おヘソをずっと下に向けることを意識しています。これでより上体の伸び上がりを防ぐことができます」と教えてくれた。
最後に精神面についてもアドバイス。「3番ウッドはピンポイントで狙っていくクラブではないので、自分の中でミスの許容範囲を広くすることで心の余裕ができると思う。そうすればボールに合わせて縮こまったスイングにならず、体を大きく使って振れます。短く握るけど、しっかり大きく振ることが大事です」。
女子ツアーの中継を見てみると、柏原だけでなく短く握るプロは意外と多い。地面の上から打つのが一番難しい3番ウッドをいとも簡単に打っているように見えて、実はミート率を高める準備をがっちりしていたのだ。
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