新型コロナウイルスのワクチン接種が進む日本。だが、一方で注射した部分の痛み、疲労、発熱など接種後の副反応の症例も多数出ており、毎週試合のあるプロゴルファーとしては打つタイミングが非常に難しい。現在すべての大会で毎日朝に検温が行われており、37.5度以上では会場に入れない。試合が木曜日ないし金曜日から始まり日曜日で終了、火曜日もしくは水曜日から練習ラウンドをすることを考えるとワクチン接種は現実的に月曜日に限られる。だが、副反応が出るのが2〜3日後となると試合出場への支障をきたす可能性があるからだ。
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)によれば「ワクチンの接種に関しては、選手に任せている状況」で、職域接種などは設けていない。では、実際の選手たちはどうしているのか。
大まかに言ってしまうと日本勢と韓国勢で差がありそうだ。マネジメント会社によれば一部の韓国人選手は6月、7月の職域接種で、すでに2度打ち終わっているという。それらの選手たちは接種の週は大会を欠場したそうだ。
一方で日本勢は、オフに、という考えの選手が多い。そもそも、政府のワクチン供給の遅れで「打ちたくても…」という選手もいるだろう。
レギュラーツアーに出場しているとある選手は、そもそも打ちに行くタイミングがないと話す。「転戦しているのでどうしても厳しいですよね。1回打ったとしても2回目を打つタイミングでどこにいるか分からない。そうなるとどうしてもオフになりますよね」と機会がないとした。
定期的に試合に出ない週を作っている選手も、受けるのはオフになるという。「接種したときに副反応がある可能性があって、それがゴルフにどう影響するかも分からないですし、賞金ランキングなどの状況もあるのでなかなかシーズン中は…」と接種は厳しいという。
そんななか、日本勢のなかでも主戦場によってはシーズン中に打つ選手もいる。自身のSNSで接種したことを報告した川崎志穂はその一人。2回目の接種後の副反応について「2回目のほうが、あまり痛みがなく少し違和感があるくらいです」と投稿している。
ほかのスポーツを見渡すとプロ野球とJリーグは職域接種で選手たちは接種した。ワクチン接種は自治体との兼ね合いもあり、個人競技とはいえ、選手個人に任せているのも限界があるだろう。目まぐるしく変化する世界の情勢。あくまでも接種する、しないも個人の判断だが、協会としても変化に合わせてうまく対応していく必要がありそうだ。
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