<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 最終日◇26日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6591ヤード・パー72>
2日目を終えて首位と7打差の5位タイにつけていた渋野日向子。最終日は「今より順位を落とさないこと」として臨んだが、3バーディ・3ボギーの「72」と伸ばせず、8位タイで終戦。2週連続トップ10入りとはなったが、「悔しいの一言しかない」として宮城の地を後にした。
前半は1番パー4で1メートル、8番パー5で80センチのバーディパットを沈めて折り返したが、4番の2.5メートルをはじめ、ほかにも5メートル以内のバーディパットは5回打った。ショットでバーディチャンスを作るも、わずかの差でボールがカップに沈まないホールが続いていた。
後半に入っても12番まで6メートル前後のバーディトライをしていたが、いずれもカップの横をすり抜けた。そして迎えた13番パー4。予選ラウンドと違ってティイングエリアの左寄りにティアップすると、右に打ち出したボールが左に戻ってこない。右サイドの崖下、ラテラルウオーターハザード手前の側溝に落ちた。ペナルティは免れたが、ドロップしたボールは超ツマ先下がりのラフ。「空振り寸前」という2打目は10ヤードほどしか飛ばないチョロで、再び側溝へ。3打目も同様のツマ先下がりだったが、グリーン手前のバンカーまで運んだ。続く4打目は1メートルに寄せてボギー。ここで連続ボギーなし記録が自己最高の70で止まったが、「ボギーはしょうがない。なんならボギーで上がれてよかったくらい」と気落ちすることはなかった。
続く14番パー5。前日までよりティイングエリアが29ヤード前に出された。2打目を残り200ヤード付近のフェアウェイまで運んだが、「フェースの当たるところにボールにどろんこがついていて、右に飛ぶと想定して打ちました」というボールは、予想と反対の左に飛んだ。ガードバンカーよりも左のラフからの3打目は、40ヤードほどの距離。「打ち切れず、取りきれず」のバー。不運もありバーディを逃したことで「ちょっとダメージきちゃって…。そこからちょっとずつ、なかなかかみ合わなくなった」。流れが悪くなって15、16で連続ボギー。18番では4メートルのバーディパットを沈めて、一矢報いる形でトップ10以内を死守した。
トップ3以内もうかがえた位置にいて後半に落としてしまい、「本当にすべてのモノを台無しにしてしまった1日だった」と振り返ったが、終盤スコアを落としたところはグリーンを外して、アプローチを寄せきていないボギー。「8番みたいに冷静にやれば、難しいところでも寄るのに、ああいう流れになってしまうと難しいなと思いました」。
渋野のいう8番パー5の3打目は、ボールが見えないほどの深いラフから25ヤードの距離。深いラフからはロフトの寝たウェッジを選びがちだがが、54度のウェッジを選択して80センチに寄せた。「左足上がりだったので58度だと思ったより飛ばなくて、プラス転がらないことが起きてしまうので、だったら54度である程度距離を出して、コロがる方がイメージは湧きました」。前日の8番でも似たような状況で54度を使った。ボールのライやグリーンエッジからピンまで距離があるなどの状況からクラブ選びをした。100ヤード以内強化のために今年から入れている54度のウェッジは、グリーン周りでも活躍している。
1ホールで流れが変わってしまうのがゴルフ。チャンスも多く作り、悔いの残る1日だったが自己最高の70ホール連続ボギーなしは、リカバリー力向上の証。次戦の日本女子オープンのグリーン回りは深いラフが予想される。「(ラフに)入れないようにがんばりたいですけど、それは多分できないので、自分が持っているウェッジを最大限生かして少ないスコアで上がれるように頑張りたい」。グリーン回りで確実に引き出しが増えている渋野。宮城の悔しさは次戦の日本女子オープンで晴らす。(文・小高拓)
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