<バンテリン東海クラシック前日◇29日◇三好カントリー倶楽部 西コース(7,300ヤード・パー71)>
現在、ドライビングディスタンス312・9ヤードと、堂々の1位をキープしているのが幡地隆寛だ。自他ともに認めるツアートップの飛ばし屋だが、そのプライドが2年前の今大会で打ち砕かれた。3日目終了後に行われたドライビングコンテストで、なんと幡地が記録した数字は147ヤードだったのだ。マン振りしたボールは見事なテンプラになったのが原因だった。それ以降何かあればその話題となっただけに、今年はかなり気合が入っていたという。
ところが、運悪くドライバーショットが不調な状態で今大会を迎えた。例年、問答無用でドライバーを振り回していたが、今年の調子だと大事故につながると思い、いつもよりコンパクトなスイングを心がけたという。確かに、この日計測されたドライビングディスタンスでは、平均298ヤードの26位に甘んじていた。しかし、それが功を奏するから面白い。
これまでは逆球が出たことでトラブルを迎えていたが、それがなくなり、ドライバーショットが許容範囲内に収まったというのだ。そこからピッチングウェッジ以下のクラブでグリーンを狙うことができたため、バーディチャンスの機会が増えた。
さらに、調子の悪かったパッティングでは、今週から素振りを取り入れ、そのおかげで距離感が合い、4、5、6番での3連続バーディにつながった。後半もその勢いに乗り、終わってみれば22パットでホールアウト。スコアも8バーディ・1ボギーの「64」をマークし、7アンダーで自身初の首位タイに立った。
ただ、幡地自身の不安はなぜか消えていない。「自分でもどうして7アンダーで回れたのかよく分からないんです。いつ80を叩くか不安で…。明日はなんとか70台前半で抑えられるようにしたいですね」と控えめなコメントに終始した。幡地の不安が的中するかどうかは分からないが、初日と同じ作戦でいけば、大叩きどころかさらに上位も狙えるはずだ。最近は同じディライトワークス所属の大岩龍一が活躍しているが、刺激を受けるというよりも、自分のことで精一杯だという幡地。懸案のドラコンリベンジもまずは予選通過をしてからじっくり考えるつもりだ。(文・山西英希)
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