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「自分自身が幸せでいること」 プロが戦い続ける力とは【原田香里のゴルフ未来会議】

2021年3月まで日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の理事を務め、いまは女子ゴルフ界発展のため尽力し、自身のゴルフ向上も目指す、女子プロゴルファーの原田香里。まだまだこれからと話すゴルフ人生、そして女子ゴルフ界についての未来を語る。
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ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。そろそろ日本ツアーのシーズンも終わりが近づいてきています。今季はコロナ禍で2020-21という異例のロングシーズンとなり、モチベーションの維持、コンディション調整などで苦労した選手も多かったかと思います。そんな中でみんな、自分の目標に向かって最後の力を振り絞っているはずです。
賞金女王争いは激戦が続いていますね。今週を入れて残り3試合は興味深いので、決着がついてからゆっくりお話しするのがいいでしょう。
女王タイトルには手が届きませんが、劇的な優勝を2試合で見せてくれた渋野日向子さんについて、まず触れたいと思います。はじめて出場した全英女子オープンで優勝し、スマイリング・シンデレラと呼ばれ、賞金女王争いをした2019年、一躍、時の人となった渋野さん。その後、スイング改造に着手しているときに、思いがけず新型コロナウイルスが猛威をふるい、海外進出のプランがズタズタになりました。米国挑戦、東京五輪出場などの目標が、揺らいだのです。
大きな結果を出したあとだっただけに、スイング改造に対しては様々な意見がありました。SNSやインターネットの書き込みなどが盛んにおこなわれている現在だけに、どんなにシャットアウトしようとしても、そうしたものが本人の目や耳に入ることは避けられないと言っていいでしょう。
スイングを改造中は、結果がなかなか出なくて悩んだりするものです。そんなときに色々な声を聞くのはさぞ、辛かったでしょう。心が折れそうになることもあったと思います。
そんな中で渋野さんはよく、くじけずに自分を貫いたと思います。自分がどういうゴルフをしたいか、というものがはっきりしていたからできたのではないでしょうか。それが、スタンレーレディスで4人プレーオフを制することにつながりました。ハウスキャディさんをお願いしていたのも印象的でした。自分ですべて考えてプレーする。時にはそういうことも必要だと思います。感動を呼んだ歓喜の涙には、様々な意味が込められていました。
スタンレーで復活優勝すると、樋口久子 三菱電機レディスでは、プレーオフでぺ・ソンウ選手相手にイーグル決着というドラマチックな勝利も手にしました。シーズン終了後にはアメリカのQシリーズにチャレンジするようですが、この先も自分が考えたゴルフをすることに全力を注いでいってほしいと思います。
さて、この季節になると、どうしても気になるのがシード権争いです。ロングシーズンということもあり、トップの選手は2億円以上、シード権を争う賞金ランキング50位も3000万円を超える賞金を稼いでいます。20代前半の女性の収入としてはとても高額に見えますが、それは1年限りのこと。プロゴルファーは試合に出れば出るほど経費も掛かりますし、翌年はそのぶん、税金も払わなくてはなりません。1年、たくさん賞金を獲得できたからといって、翌年どうなるかもわかりません。
好調が続くかどうかもわからず、何よりケガや病気をして試合そのものに出られない可能性もゼロではありません。この世界で稼ぐということ、そしてそれを続けていくということはとても大変なことだと、改めて感じています。
私が毎週、試合に出ていた当時以上に、同世代の選手の実力が均衡している現在は、さらに厳しいと思います。どんなにトレーニングをしても、どんなに練習をしても、結果が伴わなければどうにもならないのがプロアスリートの世界です。だから、日々、ひたすらゴルフのことばかりを考えて結果が出ればいいですが、出なければつらい毎日が続きます。シーズン中には大きくスイングを直すこともできない。ワラにもすがるような気持ちになっていくのです。
私の場合は、1993年に公式戦で2勝できたことで、10年シードを手にすることができました。現在の規定では、複数年シードを獲得した翌年から10年間の中で好きな時に権利を行使できるようになっています(ただし連続で使うこと)。私が獲得した当時は獲得した翌年から10年という決まりでした。
長期シードを持っていても、賞金シードは失いたくない。そんな気持ちは誰もが抱きます。それほど毎年、結果を出し続けるのは大変だということです。
そんな経験をしてきた私は、最近、こんな風に思います。プロアスリートにとって、結果は何よりも大切なものですが、短期的なものではなく、長い目で見た結果を残すためのビジョンが必要だということです。練習は大切ですが、それだけではなく、体のケアも必要だし、時には休むことも大切です。トレーナーをつけるのが当たり前の現在でも、体力があって柔軟性もある若いうちには、どうしても無理をしてしまいがちです。それで体を壊しては元も子もありません。それを頭に入れておいて欲しいと思うのです。
 
もう一つ、若い選手のみなさんには考えて欲しいことがあります。ゴルフに専念するためにサポートしてくれる家族やスタッフの存在は、プロゴルファーにはとても大切です。その状況は人それぞれだし、周囲の人に対する気持ちは、大きなモチベーションになります。何より感謝するのは当然のことです。
けれども、大切な人たちのことを考えるためには、まずは、自分自身が幸せな人生を送っている必要があります。そうでなければ、周囲も幸せにできません。その順番をまちがえずにいて欲しいと心から思います。まず自分自身のことを考えるのは決して悪いことではないのですから。
原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。11歳からゴルフを始めると、名門・日大ゴルフ部に進み腕を磨いた。89年のプロテストに合格しプロ転向。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。98年には賞金ランキングでも2位に入るなど通算7勝の活躍。一線を離れてからは日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力。今年の3月まで理事を務めていた。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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