<アジアパシフィック女子アマチュア選手権 初日◇10日◇アブダビゴルフクラブ(アラブ首長国連邦)◇6499ヤード・パー72>
「海外の選手がいっぱいいて、身長も全然違う…。驚き半分、ちょっと興奮半分です」。聞いているこちらまで、ちょっと緊張が伝わってきた開幕前のインタビュー。そこから2日で、だいぶ雰囲気が変わってきた。
共立女子第二高校1年生の上田澪空(うえた・みく)にとって、これが2回目の海外遠征。たしかに、初日のスタート直前はド緊張。ドギマギしながら同組選手とあいさつを交わし、ティイングエリアに立った瞬間、緊張感はピークに達した。
練習日に一生懸命コースメモに狙いどころを書き込んだが、「どこに打っていいのか分からなくなっちゃって」と、頭が真っ白。「いいや!」とふんぎりをつけて打ったティショットは右のラフのディボット、2打目はバンカー、3打目はピン奥に“ホームラン”で、3オン2パットのボギー発進。本人いわく、「あっちゃこっちゃ、やっちゃった」。次のパー5をパーで終えて、ようやく気持ちが落ち着いてきた。
開幕前の不安な気持ちはどこへやら、持ち前の明るさで、同組選手ともさっそく楽しそうにおしゃべり。前半を2バーディ・3ボギーで1オーバーとしたが、後半はイーブンパーで回り「73」でフィニッシュ。1オーバー・39位タイとまずまずのスタートを切って、「もう、伸びしろしかないです」と言い切る姿に自信をのぞかせる。
「実力はそんなにないので、できることを精一杯やって、予選通過を目標にしたいです」と、謙虚に言葉をつむいだ開幕前。今はもう、「やってやるぞという気持ちが80%、不安は20%」と、エンジンがかかった16歳に恐いものはない。(文・谷口愛純)
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