<ゲインブリッジLPGA atボカ・リオ 3日目◇29日◇ボカ・リオGC(米フロリダ州)◇6701ヤード・パー72>
いかに強風であっても、元世界NO.1は動じなかった。アンダーパーがわずか5人という難コンディションで、リディア・コ(ニュージーランド)が1バーディ・1ボギーの「72」で回り、トータル11アンダー・単独首位を堅守した。
苦しい戦いだったのは明白だ。この日のフェアウェイキープ率は14ホール中7ホールで50%。現在、トップ10にいる選手の中では、ブルック・ヘンダーソン(カナダ)と並んで最低の数字だ。しかし、セカンドショットがどのようなライでも、正確無比なショットはグリーンを捉え続けた。
「全体的にバーディチャンスが多かったとは思わないけど、グリーンに多く打つことができた。最後の2ホールで2つのパーを獲れて、タフな一日でイーブンパーでフィニッシュできたから、そこそこうまくいったかな」
これこそがリディアの真骨頂。実はキャリアを通じて、フェアウェイキープ率で年間トップ10に入ったことは一度もない。ただし、安定したアイアンにアプローチ、卓越したパッティングはツアーでもトップクラス。この日の「72」は、その持ち味が十二分に発揮された結果だった。
それでも、この日のクラブ選択は難しかった。実際、何度もショット前に思い直し、クラブをチェンジする姿が見られた。「なんというか……、フィーリングかな。(風が)時速何マイルだと、ピン何本分に相当するのか、正確な方程式は持っていないから。もし、そういう電卓があったら、私の人生はもっと楽になるはず(笑)」。感覚は研ぎ澄まされている。24歳ながらツアー通算16勝。これまで幾度となく逆境を乗り越えてきた経験値も、首位キープに役立った。
24歳ながらツアー通算16勝。百戦錬磨のリディアにとって、後続と2打差は大きなアドバンテージだが、油断はできない。単独2位のダニエル・カン(米国)は先週の開幕戦で優勝を果たしている。実力、勢いともに本物だ。
「ダニエルは最もクリエイティブなプレーヤーの一人。それを見るのは本当に楽しい。だけど、誰かがやっていることに夢中になるよりも、私はただ、自分にチャンスを与え続けて、いいショットを打つようにし、ただひたすら努力するだけ。それが私のできるすべてだから」。泰然自若。最終日もこれまでと変わらず、自身のベストプレーを追及するだけだ。
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