今季から米国女子ツアーを主戦とする古江彩佳。初戦の「ゲインブリッジLPGA atボカ・リオ」では、最終日7位タイから出ながらも、「73」とスコアを落として18位タイで終えた。
「デビュー戦としてはまあまあ」と笑顔を見せたが、日本でも見せていた正確無比なショットは米国でも健在。4日間のフェアウェイキープ率は83・9%、パーオン率は73・6%をマーク。パーオン率は優勝したリディア・コ(ニュージーランド)の79・1%には及ばないものの、2位のダニエル・カン(米国、69・4%)3位の笹生優花(68・0%)を上回る数字だった。
日本で戦っていたプレースタイルどおりだが、唯一、米国仕様に替えて臨んだのがウェッジだ。「ウェッジの58度だけちょっと調整して、もっとスピンがかかるようにしてもらいました」。
渡米前に調整したブリヂストンスポーツのプロ担当・阿部貴史氏によると「フェースを開いて使いたい。スピン量を増やしたい」というのが古江からの要望だった。
米国のトーナメントは日本よりもグリーンが硬く、グリーンの端にピンが切られることが多い。グリーンを狙うショットでピンを攻めたときに、ピンの近いサイドに外してもスピンがかかれば寄せやすい。フェースを開いて使えば、その分スピン量は増やせるというのが古江の狙い。正確なショットが武器の古江といえども100パーセントグリーンに乗せられるわけではないので、“寄せやすいウェッジ”を求めた。
古江が米国に持ち込んだウェッジは、昨年まで使用していた『ツアーB BRMウェッジ』より、さらにスピン性の高い『ツアーB Bリミテッド BRMウェッジ』。ロフト角58度、バンス角12度は変わらないが、フェースを開いて使いやすくするためにヒール側のバンスを少し削っている。
「バンスが少ないモノもいくつか用意しましたが、50〜70ヤードぐらいのショットでバンスの当たり方がよく、グリーン回りでフェースを開いて使いやすい形状を選びました」(阿部氏)。古江の持ち味の一つが100ヤード以内の精度。バンスの当たり方によって縦の距離にばらつきがでやすい。いきなりバンスを減らすとショット時に縦の距離感が合わなくなる可能性があるためショットとアプローチで使いやすいモノを選んだ。
「まだ空気に慣れていないというのはある」。初戦を終えての感想だが、異国の地で戦うとゴルフ場の芝質や周囲の雰囲気、生活環境などに慣れが必要だ。しかし、日本でも見せてきた正確なショットに加えて、米国仕様のウェッジが支えになりそうだ。
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