米国内で放送されていた「シリウスXMラジオ」の「エピソード・オブ・スコアカード」に出演していた元PGAツアー(米国男子ツアー)選手のマーク・ライ(米国)が、放送中に女子のプロバスケットボールリーグ『WNBA』を貶める発言をした。すぐに謝罪したが、翌日には同ショーから降板を言い渡された。
発端は昨今の米国女子ツアーに賛辞を送ったこと。「LPGAツアーは10年前と比べてまったく違う素晴らしいものだと感じている」と話した後、こう続けた。
「以前のLPGAツアーはほとんど見なかった。なぜならほとんど興味を持てなかったから。例えていうなら、男子のバスケットボールも、男子のゴルフも見るのは大好きだが、女子のバスケットボールはハイライトを見たが…。あれを見るくらいなら、家に銃があれば自分を撃ったほうがマシだ」
これを受けてラジオパーソナリティのお相手、元LPGAツアー広報のクレイグ・カン氏は慌ててライの言葉を遮ったが、吐いた唾は飲みこめなかった。
その後ライは自身のツイッターで、「私の発言は真意を語る前の一部分を取り上げられている」と弁護しつつ、コメントについて謝罪。「WNBAについての発言は決して女性蔑視をするものではない」と投稿した。そして「私の発言のすべてを聞いて欲しい」ともつけ加えた。ただその訴えが実ることはなく、シリウスXMラジオの広報は「マーク・ライはすでに我々のチームではない」と降板を認めている。
69歳のライは1977〜95年の18年間PGAツアーでプレー。83年には「バンク・オブ・ボストンクラシック」でツアー1勝を挙げている。
2019年にはタイガー・ウッズの元スイングコーチ、ハンク・ヘイニー氏(米国)が同じくシリウスXMラジオで女子ゴルフについて失言。「全米女子オープンは韓国勢がきっと勝利する。名前は覚えられないが、きっとリーだろう」と語ったことで降板となった。その後ヘイニー氏は同ラジオ番組を保有するPGAツアーを相手にフロリダ州で提訴したが、21年に連邦裁判所により棄却されている。(文・武川玲子=米国在住)
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