3月3日から行われる「ダイキンオーキッドレディス」で幕を開ける2022年の国内女子ツアー。だが、今年もこれまでとは大きく異なる点、注目すべきポイントが存在する。ということで「22年の女子ツアーで知っておきたいこと」を予習・復習しておこう。今回は複数年シード保有者について。
プロゴルフトーナメントに身を置き、そこで稼ぐ選手たちにとって、何よりも大事になってくるのが『出場権』。これが無ければ、どれだけ試合に出たくても出場することはできない。そのうえで全選手が目指すのが、翌シーズンのフル出場が叶うシード権であるのは言うまでもない。
女子ツアーは今季から、順位に応じて付与されるポイントで争われる『メルセデス・ランキング』(以下、MR)でシード権が争われる。シーズン終了後50位以内に入った選手が、翌年のフル出場権を手にできるわけだ。ほかにシーズン優勝者も翌年の出場権が確定するが、この両方に共通するのが“有効期間は1年間”という点。そのため、毎年、毎年、シード入りを目指すシビアな戦いが続くことになる。
だが単年ではなく、数年間のシードが確定するケースもある。これがいわゆる『複数年シード』というもので、例えば今季からMRでシーズン1位になった選手には4年間のシードが付与される。このほか、メジャー大会優勝で3年シードなどの規定がある。
国内女子ツアーにおいて、この複数年シードの価値は非常に高い。というのも19年に規定が変わり、『シードの開始年度を、獲得翌年から10年のうちに選手の任意で選択できる』ようになったから。それ以前は獲得した翌年から自動的に発効されていたため、例えば賞金シード権を持っているにかかわらず、重複的に使用されるというケースがほとんどだった。
10年間であれば自分でスタートする年を決められることで、通常のシードを失った時の“保険”になったり、米国ツアー参戦への足掛かりになるなど、選手のキャリアに応じて使用できるのが大きい。では現在の女子ツアーで、この複数年シードを持っているのは一体誰なのか? 以下にまとめてみた。
■5年シード
・畑岡奈紗(獲得2019年→行使可能期限2030年)
・原英莉花(同20-21年→同31年)
・稲見萌寧( 〃 )
■3年シード
・鈴木愛(同19年→同30年)
・渋野日向子( 〃 )
・ペ・ソンウ( 〃 )
・永峰咲希(同20-21年→同31年)
・西村優菜( 〃 )
・古江彩佳( 〃 )
・三ヶ島かな( 〃 )
畑岡、原は、同一シーズンにメジャー大会で2勝(※1)したことで5年シードを獲得。稲見は東京五輪銀メダル獲得で手にした5年シードが有効になる(※2)。鈴木愛は19年の賞金女王、古江は昨季のMR1位で、ほかの選手はメジャー大会制覇でそれぞれ3年シードが付与されている。またこのほかにも、ツアーで通算30勝を挙げた選手にのみ与えられる『永久シード』というものがある。
(※1)メジャー年間1勝で3年シードが付与されるが、2勝すると5年シードと規定
(※2)JLPGAは東京五輪で金を獲得した選手には10年、銀で5年、銅で3年シードを付与することを大会前に決定していた。また21年「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」制覇、賞金女王もともに3年シードが付与されるが、この場合、最長の五輪での権利が有効になる
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