98年度生まれの“黄金世代”は飛ばし屋揃いだ。昨シーズンのドライビングディスタンスでは、1位は平均257.26ヤードを記録した原英莉花、2位は平均254.31ヤードの勝みなみという結果となった。今シーズンはそこに割って入りそうな選手がいる。平均250.61ヤードで7位にランクインした2人と同い年の山路晶だ。堀琴音らを指導する“モリモリさん”こと森守洋氏に、「身体能力の塊」という山路のスイングを解説してもらおう。
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男子プロ的な動きをする世界レベルのスイングだなと、山路プロを見るたびに感じています。
セミストロングのグリップで美しいどこにも力みのないアドレス。バックスインクの始動は腕と体の一体感でしっかり右足に荷重しながら身体が回っていきます。すべてがオーソドックスで美しい山路プロのスイングですが、特徴を挙げるとすれば常にフェースを少しシャットめに使っていることです。
トップのポジションでもフェースが空を向き、左手首を手のヒラ側に折る掌屈動作を入れながら、ロフトを立ててインパクトしています。フェースを起こしていくタテのローテーションを駆使するショットメーカーです。タテにフェースを使いますので、インパクトエリアでも無駄にフェースが動きません。だから飛んで曲がらないが両立するのです。
体の動きを見てみますと、重心移動も前後左右に足裏全体をバランスよく使っているのが見て取れます。ダウンスイングで地面を強く踏み込み、インパクトに向けて一気にチカラを解放。地面反力の使い方も素晴らしく、インパクト後の右ヒザの伸び方を見てもらえば、地面をしっかり踏んでいるのがよく分かります。
柔軟性に加え、非常に高い身体能力を持つ選手だというのが、スイングから推察できます。260〜270ヤードは飛ばすポテンシャルがあるので、今シーズンのドライビングディスタンスで、山路プロが1位を獲っても、まったく驚きはありません。
■解説/森守洋
もり・もりひろ 1977年2月27日静岡県生まれ。ゴルフを始めたのは高校から。95年に渡米しミニツアーを転戦しながらゴルフを学んだ。帰国後は『ダウンブローの神様』と呼ばれた陳清波に師事。02年からレッスン活動を開始し、現在は原江里菜、堀琴音、香妻陣一朗のコーチを務めている。東京都三鷹市にある『東京ゴルフスタジオ』を主宰し、アマチュアへのレッスンも行う。
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