<PGAシニアツアー予選会・最終予選 2日目◇3日◇トム・ワトソンゴルフコース(宮崎県)◇6741ヤード・パー72>
国内男子ツアー通算4勝、国内シニアツアー3勝を挙げ、ゴルフ中継のテレビ解説でおなじみの加瀬秀樹。62歳になってもまだまだツアーで戦う気力を失っていない。今年の国内シニアの出場権をかけた今予選会。初日を2オーバー・18位タイで終えると、この日は2バーディ・1ボギーの「71」をマークして、トータル1オーバー・6位タイに順位を上げた。
「初めてアンダーパーが出たよ」。今年に入ってこのコースで20ラウンドほどをこなしている加瀬だが、アンダーパーが出た記憶がない。松林にセパレートされたコースは、フェアウェイキープが必須。フェアウェイをとらえても、アンジュレーションのあるグリーンが選手を苦しめる。「すべて難しい。おとといの雨でグリーンが少し軟らかくなったけど、それまではピッチマークがつかないくらい硬かった。軟らかいといっても、硬いけどね」。
アンダーパーのラウンドは歯を食いしばってのプレーだった。「グリーンに乗ったのは9ホール。寄せワンでがんばれた」。9ホールでパーオンを逃したが、ボギーは1ホールのみと、耐えに耐えて待望の“赤字”だった。
2010年にシニアデビューした加瀬は、3勝を挙げるなど長年シード選手として活躍。19年は賞金シードを落としたが、20年はレギュラーツアーの「生涯獲得賞金ランキング20位以内」の資格で出場してシード権を取り戻した。しかし、「パッティングが入らず、リズムに乗れなかった」と21年は賞金ランキング39位で再びシード権を喪失した。
生涯獲得賞金ランキングは20位以内から漏れたため、今年ツアーに出るためには、この予選会での上位フィニッシュが必要となる。
「プレーしないとね。やっぱりプレーしてこそ解説ができると思っている。トーナメントに出ながらじゃないといろいろ語れないと思う」。プレイヤー、そして解説者。二足のわらじを履きこなすためにも、是が非でもツアーの出場権は手にしたい。
「10位以内。あす一日、“必死”の一言です。調子がいいとか悪いとかではない。必死。何があるか分からないから、必死にゴルフをやるだけです」。年間の出場権を手にできる10位以内を目指す。(文・小高拓)
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