<シェブロン選手権 2日目◇1日◇ミッションヒルズCCダイナ・ショアトーナメントC(カリフォルニア州)◇6884ヤード・パー72>
今季メジャー初戦の開幕を前に「楽しみたいですね」と話していた渋野日向子。言葉通りここまでは笑顔のプレーで楽しみながらトータル9アンダーまで伸ばして単独首位に浮上した。
成長を実感できる。これが本当にうれしい。そして楽しい。海外メディアからのインタビューでも「ゴルフが変わった。大人になった!」というように技術、マネジメント、そしてメンタルすべての面で成長を実感している。
飛距離が出て曲がらないドライバーショットはもちろん、守りの場面でもクレバーさが光る。11番はバーディを獲りたいパー5。だが、2打目は木に当たりフェアウェイも約60ヤード残して、ピンは右、左足下がりと「結構厳しいライ」。それでも1年前なら“イケイケゴーゴー”とばかりに攻めていた状況。だが、今年は違った。「かつかつを狙ってバンカー入れるとかあったけど、今は割り切ってしっかりピンキャリー打って奧からで仕方ないと思えた」。言葉通りピン奥につけて2パットでパーをセーブ。引くところは引いて大けがを防いだ。
技術の部分でも向上が見られる。7番ではグリーン手前のラフに外したが、もう少しでチップインかというアプローチを見せた。さらに13番では2打目がオーバーしてエッジに残るも、すぐ後ろがラフという状況のなか、「パターとウェッジで迷ったけど、調子いいぶんウェッジに頼って」。自信を持って選択をしたウェッジでチップインバーディ。メジャーのセッティングでも小技が光る。
考え方も大人になった。この日は午前の早いスタートとあってまだ気温は低く「昨日の練習場よりも10ヤードくらい飛んでいなかった」という状況でティオフ。その1番の2打目は残り110ヤード。「本来であれば46度を持つ距離でしたが、スタートホールはどれだけ練習場の距離を信じられるか、自分の体を信じられるかが大事だと思った。9番アイアンの抑えで打ったのがちょうどよかった」。この絶妙な判断でベタピンでお先にバーディ。1日の流れを作った。
ほかにも随所に成長した部分が光ったからこそ出た「66」という数字。「ラフに外しても楽しい!」という発言がさらに上のステージに行った何よりのあかし。「明日、明後日も楽しんでやりたいと思うけど…、楽しむ余裕はない!(笑)」。そんな言葉も絶好調のシブコが戻ってきたことを感じさせてくれる。(文・秋田義和)
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