<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 事前情報◇6日◇石坂GC(埼玉県)◇6475ヤード・パー72>
西村優菜にとって、今大会は思い入れが強い。アマチュア時代にプロの試合へ初めて出場したのが2018年の「スタジオアリス女子オープン」だった。大会の舞台は変更となったが、「アマチュアの時から出場していた、頑張りたいと思う試合のひとつ。ギャラリーのみなさんに笑顔で帰ってもらえるようないいプレーがしたい」と意気込みを語った。
開幕から3試合連続で優勝争いを演じたものの、3位、7位タイ、2位タイと勝利には届かなかった。「勝てなかったのが悔しい。ネガティブとはいわないけど、自分のゴルフに悩んでしまいました」。その後は最終日にスコアを落とすプレーで42位タイ、18位タイと、西村らしい最終日に追い上げるゴルフを展開することができていない。
その悔しさから“焦り”と言う単語も口にした。「調子は悪くないですが、気持ちの焦りをコントロールしたいです」。そこで大切になるのが“切り替え”だ。「今週はうまく切り替えできているかなと思う。先週までのゴルフを引きずらずにプレーしたい」と顔を上げて前を見た。
悔しさを募らせるばかりではいられない。最新の世界ランキングでは39位に入り、「全米女子オープン」への出場権も手にした。今シーズンの目標としていた「海外メジャーへの挑戦」を叶えたことになる。2カ月後に向けても、ここから調子を上げていきたい。
「タテ距離を合わせる練習を重点的に行っているので、そこを詰めていきたい」。距離が長い米ツアーでもウッドやユーティリティでピンを刺すショットを武器に、「あとはショートゲームで合わせられれば」と、戦うイメージを膨らませている。
「いい経験をして、その後の日本のツアーに生かしたいですね」。前回の全米女子オープンは予選落ちを喫したが、翌年21年には3勝を挙げ、賞金ランキングも5位に入った。不調から学び、すぐに立て直すのも西村の強さのひとつ。ここからは海外メジャーを見据えた戦いとなるが、思い入れのある大会でしっかりと“切り替え”る準備はできている。(文・笠井あかり)
<ゴルフ情報ALBA.Net>