<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 初日◇8日◇石坂GC(埼玉県)◇6475ヤード・パー72>
西郷真央の“本当の強さ”を感じた。史上3人目、そして最年少での3週連続優勝に挑む西郷真央は4バーディ・3ボギーの「71」でプレーし、首位と5打差の位置で初日を終えた。
「前半は思ったより上出来なプレーができた」と、4番パー4を皮切りに3つのバーディを奪取。9番パー4ではティショットが左の林を超えてペナルティエリアに入り出すだけとなったが、残り115ヤードをの3打目を50度で振り抜き、3メートルを沈めてパーセーブする強さも見せつけた。
折り返した10番でもスコアをひとつ伸ばし、このまま勢いに乗るかと思われたが「後半は風が出てきてちょっとのミスがボギーにつながった」と“らしくない”プレーが続く。14番は2段グリーンの下段から寄せきれず、15番は奥のカラーから2メートルショートして入らずと、それぞれ3パットのボギー。次の16番パー3ではティショットをグリーン左にこぼし、アプローチは約6メートルオーバー。一気に失速してしまった。
ホールアウト後、悔しい言葉を並べて落ち込む様子をみせるのかと思いきや、そんなことは全くなかった。「スコアは伸ばせなかったけど、自分の思うショットが打てる回数が増えていたので、自信を持っていいかなと思います」。ミスが続いたとは思えないほどの前向きな言葉を並べた。
今季3勝を挙げている経験こそが、この“自信”につながっているのだろう。いままでの調子を振り返っても、5打差も西郷にとっては射程圏内で、なんら問題はないとも思える。ミスをしたから、大記録のかかる大会初日で少し出遅れたからといって、全く動じない。これが西郷の強さだ。
3パットした原因も「思ったところには出せてはいたのですが…狙っていく強さとそれに対するラインの幅がずれてしまった」と把握済。あすにはしっかり修正してくるだろう。
最終18番も「風もあって嫌なシチュエーションだった」というラフからの2打目だったが、「いいショットが打てて、バーディパットにもトライできた」といいイメージで1日を終えることができた。「あしたも納得いくショットを打って、それをいい流れにつなげたいです」。今大会前には「追いかける立場の方がいい」と話していた西郷。その舞台は整っている。(文・笠井あかり)
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