<ロッテ選手権 最終日◇16日◇ホアカレイCC(米ハワイ州)◇6603ヤード・パー72>
270.38ヤードで137人中42位タイ。これは渋野日向子が出した、ハワイでの4日間平均のドライビングディスタンスだ。このスタッツは計測ホールでのもの。日本ならトップクラスの飛びだが、実際にコースで見ていると、それ以上に飛ばしていたのでは?という印象を受ける。
例えば、逆転優勝の望みをかけ1打ビハインドで迎えた最終18番パー5(532ヤード)。渋野は「振りましたよ。マン振り。思い残すことのないように」と、ドライバーを握った腕、そして体の力すべてをボールに伝えきった。その結果、2打目を打ったのはエッジまで残り221ヤード地点のフェアウェイ。実に311ヤードを飛ばし、同組の2人をかなり後方に置いていった。
「マン飛び!」と渋野もこれにはニッコリ。セカンドショットは結果的にグリーン右のバンカーに入ってしまったが、楽々7番ウッドでツーオンを狙える位置だった。
さらにその最終日に驚かされたのが、折り返し直後の10番パー4(399ヤード)だった。フォローの風に乗ったボールが止まったのは、エッジまで残り50ヤードという位置。ランも含め、実に350ヤード近く飛ばしたことになる。
2日目のラウンド後、「悪くないから振れていると思うし、ちゃんとやりきれば真っすぐ飛ぶというのが分かっとるけん」とドライバーショットへの自信を語っていたが、それは最後まで変わらなかった。これだけ振り切っても、4日間のフェアウェイキープは56ホール47ホール。強風が吹くハワイで率にして83.9%というのは驚異的といえる。
もちろん、ロングパットのタッチもしっかり合っているなど、すべてが安定したうえでの順位であることは間違いない。ただ第3ラウンドまでに5度繰り出した“直ドラ”のことも考えると、そのドライバーの輝きが際立つ試合だった。
ちなみに渋野のここまで出場5試合のドライビングディスタンスは266.70ヤードの44位。フェアウェイキープ率は76.32%で39位という結果になっている。直ドラについては、「分からないけど…フフフ」と濁したものの、今後も状況次第では使っていくことを示唆している。そのドライバーから、今後も目が離せなさそうだ。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA.Net>