<DIOインプラントLAオープン 3日目◇23日◇ウィルシャーCC(米カリフォルニア州)◇6447ヤード・パー71>
緊張の連続だった。首位タイから出た畑岡奈紗が5バーディ・1ボギーで回り、4つスコアを伸ばしてトータル11アンダー。2位に4打差をつけて、単独首位で最終日に向かう。
2番でバーディが先行。その後も「ショートサイドを攻めないと」と、厳しいピン位置を攻め続けた。同じく首位タイから出た世界ランキング1位のコ・ジンヨン(韓国)と、同組で一進一退の首位攻防を繰り広げた。
スコアは中盤に動き出す。「ショットさえ良ければ、しっかりチャンスにつく」。不振に陥っていたショット時の理由を『ボールとの距離』に見いだした前日から復調。この日はほぼ完璧なショットを打ち続けた。パーオンは16ホールと、畑岡らしいゴルフでピンを攻めると、14番で1.5メートルにつけバーディ。ここで単独首位に立ち、残り4ホールへと向かった。
ジンヨンは15番でバーディを奪い畑岡に並んだが、16番でアプローチに失敗しボギー。対する畑岡はバーディを奪った。2打差つくと、続く17番では、ジンヨンがグリーン横のペナルティエリア内から無理にグリーンオンを狙うも出ず。2度目の“無謀”なショットに挑むも脱出にはいたらず、後ろに下がってドロップ。結局このホールでダブルパーを叩いたジンヨンとの差は一気に開いた。
終わってみれば、同じく最終組で回ったハナ・グリーン(オーストラリア)がトータル7アンダーで2位。ジンヨンは最終ホールで意地のバーディを決めたが、トータル6アンダーの3位タイに転落した。
「後半に入ってお互いにスコアも動いていて緊張感も高かった」とした畑岡。ジンヨンとは、昨年の最終戦、年間女王、賞金ランキングトップを懸けた戦いで、最終ホールまで優勝争いを演じ敗れた。だからこそ3日目から緊張感は高まったが、4打差ついた今も、その気持ちは変わらない。
「ドキドキする」と正直な気落ちを吐露した畑岡。今季は調子が上がらずトップ10が一度もなく、先週も予選落ち。それが世界1位を前に存在感を示したこの日のゴルフは、相手にもプレッシャーとなるはず。米ツアー6勝目に向け、日本のエースが逃げ切ってみせる。(文・高桑均)
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