<DIOインプラントLAオープン 最終日◇24日◇ウィルシャーCC(米カリフォルニア州)◇6447ヤード・パー71>
「アンダーパーを出したい」とスタートした最終ラウンド。渋野日向子は2バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの「74」とスコアを3つ落とし、トータル6オーバーの63位タイで4日間を終えた。
2日目に4パットのダブルボギー、3日目はティショットが木に当たって苦戦した鬼門の1番は、バーディ逃しのパーで切り抜けた。ところが次の距離が短いパー5でバーディを奪えず。「獲りきれない時点でなかなか流れに乗れないというのはあると思う。せっかく1番をパーで乗り切ったのに」と、アンダーで回るために重要な出だしの滑り出しを悔やむ。
その後は4番でアプローチを寄せきれずにボギー。6番ではティショットがバンカーのへりに止まり、スタンスはバンカー内。腰の高さの球を横振りで出すだけとなりボギー。9番ではティショットが右にすっぽ抜け、ブッシュに入りアンプレヤブル。ダブルボギーを叩くなど、4つ落とし後半に入った。
トラブルはつきものだが、トラブル後のリカバリーに難あり、と振り返る。「ウェッジショットだったりが、パーを取れそう、1パットで乗り切れそうというところについていない。そのぶん残念です」。50〜100ヤード前後からしっかりと寄せられないもどかしさが、今大会は残った。
その半面、グリーン周りでは神業アプローチが光った。14番パー4では奥のピンに対して87ヤードのショットをグリーンオーバー。「チャンスにつけられるようなところなのに、オーバーして激ムズなアプローチが残るし」と、反省点として挙げたウェッジショットでミスするも、左足下がりから砲台グリーン、ピンがグリーンに乗ってすぐというライから2メートルに寄せてパーセーブ。ミスのあとに神業とちぐはぐではあるが、ある面では成長を見せているのは確かだ。
「ウェッジ下手くそすぎやろ(笑)」と100ヤード以内に課題は残しつつも、短いアプローチに加え、7番ウッドについては自画自賛。距離が長くタフな17番パー4では、連日2打目を7番ウッドで放ち難なくグリーンに乗せ、なんならバーディチャンスにつける。「7番ウッドのほうがいいんじゃねーか!って(笑)」と一長一短のプレーには、課題と明るい兆しの双方が同居する状態には戸惑いもある。
そうはいっても試合は続き、次週も出場予定。「ルーキーイヤーはこうやって乗り切らんといかんし、その中でも1ポイントでも取れればいいかな」。すべてが未知の体験ながら、来季のシードを確保するために、年間ポイントレースの順位を上げるべく試合に出続けていく構えだ。
予選を通ることで得られるポイント。「悲しさはあるけど、ないよりはいいです(笑)」と獲得ポイントこそ少ないが、こつこつと貯めることが重要だ。全英優勝で得たツアーメンバー入りを放棄し、再び予選会からチャンレンジしてつかんだ出場権。次なる目標は来季のシードに、優勝。課題に取り組み、苦手を消して、技を磨く作業を地道に続けることで、いまよりもっと渋野は成長していく。(文・高桑均)
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