<AT&Tバイロン・ネルソン 初日◇12日◇TPCクレイグランチ(米テキサス州)◇7468ヤード・パー72>
セバスチャン・ムニョス(コロンビア)がPGAツアー史上初の快挙を成し遂げた。今大会の初日に2イーグル・9バーディ・1ボギーで回り、昨年11月の「RSMクラシック」(パー70)初日に続く今季2度目の「60」をマーク。同一シーズンに複数回の「60」をマークした初のプレーヤーとなった。
今週のTPCクレイグランチはパー72。現地時間午前7時23分に1番からスタートしたムニョスの快進撃は9番から始まった。
8番でボギーとしたムニョスは、この時点でまだ2アンダー。しかし、9番パー5でピン奥4.5メートルを沈めてイーグルを奪うと、10番パー4は124ヤードから1メートルにつけてバーディ、11番パー4も152ヤードから再び1メートルにピタリ。そして、12番パー5は237ヤードから1.5メートルに2オンさせてイーグルパットを奪取。4なんと、わずか4ホールで6アンダーをマークした。
14番でも伸ばすと、上がり3ホールは3連続バーディ締め。圧巻のプレーを披露したムニョスに、ギャラリーから大歓声が浴びせられた。
「18番のフェアウェイでは『59』を出したいと思ったんだけどね」と最終ホールはイーグルを狙ったという。「少なくともチャンスは作りたかった。残り250ヤードで向かい風。しっかり打ちたかった。だけど、ピンに付けるにはフェードでソフトランディングが必要。トライしたんだけど…結果はやり過ぎて右に外れてしまった。結果は『60』になってしまったが、でもすごくいいスコアだ」と胸を張った。
ムニョスは今季、決していい立ち上がりではなかった。開幕から3連続予選落ち。だが、光明もあった。それが、昨年10月の「シュライナーズ・チルドレンズ・オープン」からバッグを担いだホセ・カンプラ氏だ。
初タッグとなったチルドレンズ・オープンは予選落ちだったが、3試合目となった日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」では4位タイ、初日に「60」をたたき出したRSMクラシックでは3位。年明けからも20位台と続き、安定した成績を残している。
アルゼンチン出身のカンプラとコロンビア出身のムニョスは、ともに母国語はスペイン語。「今季はホセと一緒にやりはじめた。彼がバッグを担いでくれてから、ものすごくいい波長を感じている。言葉もあって、お互いに良くわかり合える」と話す。
ムニョスにとって12アンダーは自己最高記録。2位以下に4打リードと好スタートを切った29歳が、2019年「サンダーソンファームズ選手権」以来のツアー2勝目を目指す。(文・武川玲子=米国在住)
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