<ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント 3日目◇21日◇取手国際ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6804ヤード・パー70>
2021年を最後にプロ野球を引退した松坂大輔さんが「ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント」に登場。アマチュアのスクラッチ部門で2日間36ホールを戦う。初日のスコアは「79」の9オーバー。「パー70ですけど何とか70台で回れたらいいなと思ってやっていました。ギリギリ達成できて良かったです」と、取材エリアでホッとした表情を浮かべた。
緊張の朝イチショットは、左ラフの方向に出てスライスし、右ラフまで大きく曲がった。それだけロスしたにも関わらず、きれいなボールでフェアウェイに運んだ岡田絃希と大田和桂介と飛距離はあまり変わらない。しかも強く叩かず軽く振っているように見える。高校時代から150キロ以上のストレートを投げていた身体能力は健在だ。
2つのバーディで見せ場も作った。6番パー3ではティショットを1メートルにつけてバーディ、9番パー5では2オンに成功して2パットで沈めてバーディを獲った。3メートルのイーグルパットはカップに届かず、「あれをショートしてしまうのがアマチュアだな。松山英樹にはなれなかったです(笑)」と、昨年の「ZOZOチャンピオンシップ」と今年の「ソニー・オープン・イン・ハワイ」で最後にイーグルを奪って優勝を決めた松山を引き合いに出して、明るく笑う。
「ほとんど練習には行けてない」と言いながら、月4、5回の頻度でラウンドで「良いときは74、75で回ったりします」とかなりの腕前。ベストスコアは「70」で、「70は何回かあります。2アンダーですね。まだ60台はありません」と“60台の壁”に挑戦し続けている。
飛距離については「ちゃんと当たれば300ヤード以上はいくんじゃないですかね」とのこと。「飛距離を相当損をしているとは、毎回一緒に回るプロの方には言われます。もっと飛ばせるって。でも飛ばし方がわからないので」と頭をかくが、スライスボールで300ヤード飛ぶアマチュアはあまりいないだろう。しかも「僕は首を手術して右手が麻痺しているので、振れなくなりました」と、軽く振っているように見えるのにはこんな理由もあった。
さらに驚きの事実がある。きょう使ったクラブはキャロウェイが用意した共用クラブで、松坂さん自身のクラブではないのだ。初めて握るクラブで70台で回り、それを間近で見ていた岡田も「信じられない」と目を丸くする。ちなみにドライバーのスペックは、ロフト8.5度でシャフトは70TX。一般ゴルファーにはおそらく全く球を上げることができないであろうハードスペックだ。
あす最終日の目標については、「きょうはパーを獲るのに必死でしたけど、きょうよりも少しでも打数を縮められるようにしたい」と松坂さん。いまからスライス矯正のレッスンを受けて、完璧にフィットするクラブを作れたら、すごいスコアが出そうな気がしてならない。(文・下村耕平)
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