<宮里藍サントリーレディスオープン 初日◇9日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6527ヤード・パー72>
今季13戦に出場して2位が2回の藤田さいき。あと一歩の11年ぶりVに向けて、8バーディ・2ボギーの「66」をマークし、6アンダー・3位の好スタートを切った。
ドライバーからパターまで、安定したプレーを続けて生み出された好スコア。「思っていたよりもパッティングが入ってくれたから、このスコアになった。明日以降はガマンしないといけないときもあるから、心と体を準備しておきます」と36歳のベテランは落ち着いている。
実は、今大会のアンバサダーを務める宮里藍は、同じ1985年生まれ。「私がプレーヤーで、同級生がアンバサダーで…。なんでしょう、この違い」と笑った。10番ホールではブルーのジャケットをはおった宮里がスタート選手を見送っていた。ティオフを迎える前、同組の成田美寿々を加えた3人でこんな会話が繰り広げられていたという。
成田「(藤田を見て)体、大きいよね」
藤田「自分の感覚的には藍ちゃんと同じくらいだよ」
宮里「真面目にプレーしてください(笑)」
168センチの藤田の身長に対して、宮里は155センチ。冗談であることは言うまでもなく、ジュニア時代から長い交流のある、藤田と宮里の仲の良さがうかがえる。
ふたりがプロになってから同組でラウンドしたのは、たったの5回。そのため、アマチュア時代の方が印象に強く残っている。「最初に一緒に回った時に、私の体が大きいので先輩だと思われていたんです。ずっと敬語で話しているから『同い年なんだよ』って言ったら、『(宮里が)それは早く言ってよ』って(笑)」。戦友でもあるふたりだが、藤田自身がゴルフを始めたのが遅かったこともあって、「(宮里は)同級生というよりも憧れの人」だと付け加える。
2017年に現役を引退した宮里に対して、藤田は今年でプロ17年目を迎えている。“アンバサダーとプレーヤー”から“アンバサダーと大会歴代覇者”になれるように。残り3日間を戦い抜く。(文・笠井あかり)
<ゴルフ情報ALBA.Net>