<ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント 初日◇9日◇麻生飯塚ゴルフ倶楽部◇6809ヤード・パー72>
首位は9アンダーまでスコアを伸ばし、73位タイまでがアンダーパー。新規大会の初日は天候にも恵まれ、バーディ合戦の様相を見せた。そんななかで石川遼は、6バーディ・3ボギーの3アンダー・33位タイでフィニッシュした。
「ちょっと球がつかまらず右に行く傾向がありましたが、そのなかでゲームを組み立てることに徹したラウンドでした」と、練習ラウンドをせずぶっつけ本番で臨んだラウンドを振り返った。
練習ラウンドをせずに本戦に臨んだのは痛めている首のことを考えて大事をとったからだが、休ませたおかげもあって「完全に痛みがないわけではありませんが、首はもうちょっとかなっていう感じでギリギリかばわずに打てています。いつもと違うスイングをしている感覚はありません。言い訳にできないレベルになってきていて、バックスイングも上がるようになってきました」と回復傾向にある。
この日はじめて回るコースについては、前日までに佐藤賢和キャディが18ホールをチェック。「数字上のデータは分かっているので、感覚に頼らず数字にアジャストして打っていく」と話していたが、ブラインドホールが数多くあり「見えないところに打つというより、知らないところに打つという感じでした。でもそれは、覚悟はしていました」と振り返った。
そして6809ヤードという男子ツアーでは短めの距離について、「ドライバーを打ったのは14ホール中3回でした。ドライバーを使っていないホールでは、(単純に考えて)セカンドショットがプラス20ヤードになるということ。つまり体感としては短いコースではないので、いかに4つのパー5でチャンスにつけられるか。ミドルパットを決めることができるか、ということになります」と話し、「ラウンド前はティショット勝負を予想していたが、セカンドショット以降の勝負」だと続けた。
平均ドライバー飛距離が291.05ヤードの石川といえども、そのアドバンテージは使えない。セカンドがプラス20ヤードとなれば、ウェッジやショートアイアンで狙えるホールは少なくなる。それはグリーンでボールを止めにくいということ。
パッティングが打ちやすいところに、セカンドショットをいかに打てるか。厳しいショット勝負になるだろうとはいえ、麻生飯塚ゴルフ倶楽部のグリーンは傾斜がきつく、1メートルのパットも油断ができない。ゴルフはショットを打つときの集中と、その後の弛緩の切り替えの連続をいかにコントロールするかが大事だといわれるが、この日はコースを知らなかっただけにまったく気を抜くことが出来ない厳しいラウンドだったに違いない。それでも、たった1回だけだがラウンドをした経験は、あすのラウンドにプラスになるはず。首位とは6打差、石川の追い上げに期待しよう。(文・河合昌浩)
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