<全米オープン 最終日◇19日◇ザ・カントリークラブ(米マサチューセッツ州)◇7264ヤード・パー70>
この日のベストスコアの猛追も実らなかった。松山英樹は5つのバーディを奪ってノーボギー。前日のノーバーディがウソのような快進撃で「65」をたたき出しトータル3アンダーとしてクラブハウスリーダーに立つも、優勝には届かず。単独4位で今季メジャー3戦目を終えた。
アウトから出た松山は6番パー3でティショットを50センチにつけて“30ホールぶりの”バーディを奪うと、さらに次の7番でもバーディ。トータルイーブンとして折り返すと、後半はさらに勢いが加速。12番では8メートル、13番では12メートルを沈めてこの日2度目の連続バーディ。16番でも6メートルを沈めるなど同組のダスティン・ジョンソン(米国)も思わず笑顔を浮かべるプレーで、ボギーフリーで駆け抜けた。
「きのうバーディを獲れていなかったので、きょうはバーディを獲ることができてうれしかった」と松山。ことごとく入れたパッティングは「昨日からすごくイメージは良くなっていた。ああいうのがあればこういうスコアになるんだなあと思いました。すごく大きかった」。スコアはもちろん、ガッツポーズや笑顔も見えるなど、いい雰囲気を作るのにも大いに奏功した。
そんなラウンドを作るのに欠かせなかったのが、2番パー3でのチップインだった。ティショットをラフに入れると、2打目のアプローチをミスしてボールはまだカラー。カップまでは約3.6メートルとピンチを招くもチップインでパーをセーブした。ここにはある伏線があった。
まだ、ボールはグリーンになかったにもかかわらずピンを抜いていたのである。「距離も近かったので、ここのピンはすごく強いのでピンに当たると弾かれると思った」。その通り出球は「やっぱりちょっと強く入った」と出たが、そのままカップイン。「抜いて良かった」と入念な下調べが大いに生きたかたちとなった。
本調子と言えないなかで作ったスコアに、「ショットも完璧かと言われるとそうでもなかったですし、その中でもスコアを出せたっていうことはすごく自信になります。これからもそういうパフォーマンスを出していけるように頑張りたい」と普段は厳しい評価をつけることの多い松山も納得。それでも「こういういいプレーができるということは、もう少し初日から、もう少しでいいので良いプレーができていれば…」とやはり今後への課題を口にした松山。この日の経験を、今年最後の海外メジャー「全英オープン」につなげたい。
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