<アース・モンダミンカップ 2日目日◇24日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6639ヤード・パー72>
「大変な一日でした。風が強すぎです」。
この日、カメリアヒルズCCには突風が吹いた。木更津の最大瞬間風速は18.8m/sを午後2時の時点で観測。「ダブルボギー2回は記憶にありません。両方とも自分のミスではなく、そのときに突然風が逆に吹いたりした。それ以外では耐えることができました」。3バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「74」を喫した稲見萌寧は、なかばあきらめの表情で語った。
ボールは狙いどおりに真っすぐ打ち出された。しかし、最高到達点に達して落下し始めるあたりで、逆から突風が吹き、狙った方向とは逆に流されてしまったのだという。
選手の誰もが警戒していた長く伸びて密集したラフすらも、「きのうは雨が降ってラフが重くなり、フェアウェイと大きな差がありましたが、きょうは風が強すぎてフェアウェイから打ってもラフから打っても変わらない感覚」だったという。「グリーン上でもボールが動いてしまうし、立っているのがいっぱいいっぱい。ショットでは構えられないほどです」と、風に惑わされた一日を振り返った。
この日アンダーパーで回ったのはたったの3人。誰もがボギーを積み重ねるなか、2オーバーはまずまずといったところか。稲見は初日の7アンダーという貯金が生きて好位置で決勝にコマを進めたが、あしたはきょう以上の強風が吹くとの予報だ。
「もう必死でやるしかありませんね」と苦笑いしたが、そこは昨季賞金女王。悪条件を受け止めている様子がうかがわれた。
強風は自分ではコントロールすることができない。コントロールすることができないことに左右されていたら、自分のプレーをすることができなくなる。自分がコントロールできることに集中する。それがスコアを作る最上の手段であることを、稲見は理解しているのだ。
昨年の東京五輪でも注目を集めた大自然と戦うスポーツ、サーフィンでは「波と戦うな。波に任せるな。波と一緒になって楽しめ」という教えがある。ゴルフも自然との戦いがある。あすのラウンドは強風との戦いになることが予想されるが、風と一緒にゴルフを楽しめるかどうかがカギになってくるのではないだろうか。
強風に翻弄(ほんろう)されることのない、稲見のゴルフに期待しよう。(文・河合昌浩)
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