<ニッポンハムレディスクラシック 2日目◇8日◇桂ゴルフ倶楽部(北海道)◇6763ヤード・パー72>
2アンダー27位タイからスタートした木戸愛が、ボギーなしの6バーディ奪取でスルスルと8位タイにまで浮上してきた。きのうがボギーなしの5アンダーで今季ベストスコア。そしてこの日もボギーなしなら、今季ベストスコアをひとつ伸ばした会心のラウンドだった。
「ショットはここのところいい感じできていたのですが、きのう、きょうといいパットが決まってくれてスコアになっています。少しでも上に、という思いで回っていました」
トータル16アンダーで首位を独走する西村優菜の背中はまだ遠いが、木戸には少しでもポイントを稼いでおきたいわけがある。
QT50位の成績で前半戦を戦ってきた木戸が今季出場した試合数は、今大会を含めてこれまで全19試合中13試合。前週までの暫定リランキング順位は37位。シード復帰を目指す木戸は1試合でも多く出場したいという思いがあり、リランキングの順位を「少しでも上げたい」という事情がある。
リランキングとは、シード以外の選手をメルセデスランキング上位順に並び替えて後半戦の出場権を決めるというもの。年に2回行われ、まずは今大会までの成績で第1回リランキング(「大東建託・いい部屋ネットレディス」から「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」までの競技の出場権が対象)が行われる。
成績のことを意識するあまり「気持ちが入りすぎて、コントロールできなくなってしまうときがあるんです。冷静に目の前のやることをしっかりやる、という意識でいます。父からも『いまが一番いい時期だよ』との言葉をもらいました。それは積み重ねが大事だと言っているんだと思います。父も若いころに努力した人ですから。私には、すごく響いています」
木戸の父・修氏は自身のスタイルを貫き通した、誰もが知るプロレスラー。現役当時の修氏のフォトカードを木戸は大事に、毎日使うヤーデージブックの中に潜ませている。「お守りみたいな感じです。父にお願いをして、もらったカードです」と木戸は言うが、苦難に直面したときに父の教えを思い出すのだろう。父の努力する姿を幼いころから見てきた娘は、父の言葉をしっかりと自分のゴルフに重ねている。
「大東建託・いい部屋ネットレディス」から始まるシーズン後半戦、そして2023年シーズンにつなげるためにも、木戸にとってあす最終日のラウンドは重要だ。気持ちのうえでも、出場権を1試合でも多く勝ち取る意味でも。(文・河合昌浩)
<ゴルフ情報ALBA.Net>