「ANAオープン」の最終日、プレーオフはクラブ契約フリープロ同士の戦いとなった。時松隆光はトータル13アンダーで池田勇太、今平周吾と並んでプレーオフに進出。2ホール目でボギーを叩き、昨季の賞金王・池田の前に屈したが、8試合ぶりの予選突破で最後まで優勝争いにからみ2位タイで競技を終えた。
プレーオフ1ホール目に2打目を50センチにつけて池田と今平にプレッシャーをかけたが、池田に80センチにつけかえされて2ホール目に突入。「勇太さんはまたチャンスにつけてくると思っていた」と2ホール目の2打目も果敢にピンを狙ったが、グリーン奥にこぼして万事休す。1メートルにつけた池田に勝利をさらわれた。
「悔しいですね…。ここまで悔しいのは初めて。相手が相手とはいえ今日は勇太さんもそんなにいいプレーじゃなかった。その中で結果は1位なんで。悪いなりにまとめる力がボクよりも数段上だと感じました。ボクは調子が良くてこれだったので。その点は学べました」(時松)。調子が悪いときでも、スコアをまとめる力。そこが池田との違いだったとこの日を振り返った。
また、クラブ契約フリーの時松は、目下クラブを絞りきれない悩みの最中にいる。今回の2位でだいぶ自信は回復したようだが「何を使っても“イイ”と感じてしまう。(どこかのメーカーと契約して)ある程度制限をかけられたほうが自分はいいのかもしれません」とこぼす。調子が悪いとクラブのせいにしてしまうため、クラブがコロコロ替わって決め切れないのが悩みなのだとか。言葉どおり、添付の開幕時のセッティングからかなりバッグの中身が替わっている。
現在までに変更したのは下記だ。ドライバーはテーラーメイド『M2』⇒ミズノ『MP TYPE-2』、UTはナイキ『ヴェイパーフライ』⇒Aデザイン『AグラインドDST』、アイアンはブリヂストン『TOUR B X-CB』⇒ミズノ『MP-66』に替えた。「中クラの時はドライバーも『M2』だったけど、直進性が高すぎたので(手嶋多一に指摘され)最近ミズノに替えた」のだとか。
開幕から固定しているのはテーラーメイド『M2』のFWと、フォーティーンのウェッジ、オデッセイのパターのみ。テンフィンガーグリップを超ハンドアップで構えるという、ブレない特徴をもちながら、クラブに関しては選べすぎて逆に悩む時松。奇しくも敗れた池田勇太は同じくクラブ契約フリーながら、そのセッティングは前回優勝時から不変。時松もクラブの迷いが消えた際には今回の悔しさが晴らされるのだろうか。
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