<日本オープンゴルフ選手権 事前情報◇11日◇岐阜関カントリー倶楽部 東コース(7,180ヤード・パー70)>
日本一のゴルファーを決める大舞台「日本オープン」。今年のセッティングはどのように仕上がっているのだろうか。これまでの日本オープンといえば、フェアウェイが狭く、その横にはニラのように伸ばしたラフがあり、入れたら横に出すだけ。そしてイーブンパーで優勝を競う展開だった。しかし、ここ5年ほど、セッティングの仕方も変化してきている。
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管真知コースセッティングディレクターは次のように語る。「ドライバーを打ってラフに入れてスコアが決まるようでは見ていて面白くない。フェアウェイを広くして、ドライバーを持って攻めるゴルフの方が面白い。ラフに入れたらそれなりのペナルティを受けて、いいショットを打ったらしっかりフェアウェイに止まり、フェアウェイから打てばチャンスにつけられるセッティング。力のある人が上にくるフェアがコンセプトです。10アンダーぐらいいってもらえたら」と。
かつての日本オープンのフェアウェイ幅は10〜15ヤードほどだったが、現在は最低25ヤードの幅を取るようにして、距離のあるホールはさらに広さを持たせている。そして、ラフの長さは100ミリから120ミリで、ニラのようではなく、見た目には打てそうな長さだ。
「ラフが長いだけだと芝が寝てしまい、打ちやすくなります。これぐらいの長さだと、芝が立っているので、ボールがすっぽりと埋まります。無理して狙えば打てますが、芝を伸ばしてから先を切っているので、強い茎の部分が残っている。抵抗が強いところもミソです」(管ディレクター)。打てそうでも狙いどおり打てないラフが、フェアウェイを外したときの“ペナルティ”となる。
また今大会の特長は長いパー4の多さもある。全長7,180ヤード(パー70)は、昨年の開催地である狭山GCの7,208ヤードとほぼ同等だが、今年は1番(492ヤード)、8番(492ヤード)、10番(491ヤード)、16番(502ヤード)と490ヤードを越えるパー4が4つもある。昨年は2つ、過去最長コース(7,320ヤード)となった一昨年の六甲国際GC東C(パー72)でさえ2つしかなく、選手はコースの長さを感じさせる。
2001年大会覇者の手嶋多一は、「時代がそうなのかも知れませんが、ワザよりもパワーの時代になってきたと思います。ただ、飛ばしてもラフに入れると難しい。飛ばして曲がらない選手が有利だと思います」と時代の変化を感じている。
大会2勝目を狙う小平智は「ラフにすっぽり埋まると2打目でグリーンを狙えない。フェアウェイキープがすごく大事」と話し、今季3勝を挙げて大会初制覇を狙う宮里優作も「飛距離よりも正確性重視が大事になってくる」とやはりラフを警戒する。今季日本ツアー初参戦の石川遼は「日本オープンはパーの比重が高くなる。ラフに入ってからボギーを打たないことが勝負」と語る。フェアウェイをキープして攻撃的な面を持ちつつ、ラフに入れたら粘りのゴルフを貫くことがカギとなる。
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